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  1. 富山県議会 1994-06-01
    平成6年6月定例会 一般質問


    取得元: 富山県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-05-14
    ↓ 最初のヒットへ(全 0 ヒット) 1  午前10時09分開議 ◯議長(西島栄作君)ただいまから本日の会議を開き、直ちに日程に入ります。  日程第1県政一般に対する質問並びに議案第86号から議案第100号まで及び報告第1号から報告第6号までを議題といたします。      ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━     県政一般に対する質問並びに提出案件に対する質疑 2 ◯議長(西島栄作君)これより各議員による県政一般に対する質問並びに提出案件に対する質疑を行います。  通告がありますので、順次発言を許します。  川島久一君。    〔20番川島久一君登壇〕 3 ◯20番(川島久一君)質問に入る前に、一言申し上げます。  去る6月10日より天皇、皇后両陛下が、昭和天皇以来19年ぶりに、未来を志向した親善の旅としてアメリカ合衆国を公式訪問されたのであります。ワシントン・ホワイトハウスでの歓迎式典スピーチで、「両国は、戦争による悲しむべき断絶を乗り越えて」と、戦争の歴史に触れられたうえで、「平和な交流が長く保たれ、太平洋が真に平和な海になることを切望します」と、アジア・太平洋地域の未来に向けた両国の関係強化を訴え、熱烈歓迎の中、アメリカ国民はもとより、全世界の人々に深い感銘を与えられたのであります。世界平和を願う私たちは、もとより心から喜ばしい限りであります。  これに引きかえて、我が国内政治は混迷の増すばかりであります。何といっても、真に政治は国民のためにあるものと私は考えております。今こそ政局の混迷と政治不信に終止符を打たなければなりません。どうか、21世紀への展望が切り開かれるよう、皆さんとともに願いたいものであります。  それでは、税制改革についてお尋ねいたします。  連立与党税制改革小委員会は、7%に上る税制改革案を示しました。まだ細かい分野においては決定をみておりませんけれども、いずれにせよ抜本的税制改革が行われようとしております。これは県民にも大きな影響を与えるものと言えますが、中沖知事さんはこの税制改革にどのような御認識をお持ちか、まず御所見をお伺いしたいと思います。  第2点は、これも直接県民に関係する問題でありますが、羽田内閣は当面の公共料金の値上げを凍結したのであります。このことは国民に大きな救いを与えました。そして羽田総理は、県、市町村はそれぞれ独自の判断をしてほしいと要望したのであります。  そこで知事さんにお尋ねしますが、富山県の当局は公共料金の凍結についてどう考えておられるか、御所見をお伺いしたいと思います。  次に、総務部長にお伺いいたします。  いよいよ5兆4,000億に上る所得税と住民税の大型減税が始まりましたが、減税額は各人の納税額の20%と聞いておりますが、私たちのもとに、いつ、どんな形で戻ってくるのかお尋ねいたします。  また、ボーナスにはどう影響するのか。あるいは自営業や年金受給者はどうか、詳しくお尋ねをするものであります。  次に、新幹線問題でありますが、富山駅の全体構想等については説明を受けたのでありますが、まず何よりも大切なのは、我が党がつくり上げました政権下での、63年8月の政府・与党申し合わせによる建設計画の見直しであります。その見直しは、着工済みの3線5区間以外での新たなる着工区間等の決定にあったのであります。しかし、その後の連立政権に先送りされたことは、まことに残念であります。20年来のこの悲願について知事はどのような受けとめ方をされておるか、承りたいと思います。
     2点目は、市丸企画部長にお尋ねいたします。  私は、基本的に新幹線は国家的プロジェクトとしてとらえている一人でございます。既にでき上がった新幹線はすべて地元負担がないのでもわかるとおりであります。かつての質問でも部長に御答弁いただきましたが、地元負担の軽減のための運動を強力に推し進めるとのお考えでしたが、どのような運動を展開され、また今後どういう見通しなのかをお尋ねいたします。  新幹線3番目の質問は、代表質問でも取り上げられましたが、第三セクター化の問題であります。  並行在来線糸魚川-魚津は第三セクターの方向がつけられておるわけでありますが、私はまずその場合、鉄道施設等は無償で払い下げるべきが当然だと考えております。そのうえで、JR東日本では経営基盤が強化されたとして既に一部上場されておる、西日本も含めまして経営が安定しつつあると考えておりますので、当然、JR西日本が主体になるべきものと考えておりますが、企画部長の御見解をお伺いいたします。  新幹線4番目は、建設に取り組む姿勢についてであります。  特に、連立政権になってからの促進議員連盟の連携に多少の憂いを感ずるものであります。中沖知事さんが中心になって力強い歩みを進めてこられたことは、深い敬意を表するものでありますが、新幹線運動は力強く大道を歩まなければなりません。そのためには各県の協力体制が何よりも必要であります。議員を含めましてどうあらねばならぬか。中沖知事さんの決意のほどと、運動の進め方についてお尋ねいたします。  それでは、農業問題に入ります。  去る19日、久しぶりの雨で潤いまして、恵みの雨を待ち望んでいた農家の人たちをほっとさせております。中でも、干からびて水田が地割れするなどの被害が出ていた氷見市などでも、元のように水で潤う文字どおりの水田となり、関係者の表情にも安堵の色が戻ったのであります。それでは、ことしの米の豊作を願うとともに、質問に入りたいと考えます。  まず、堀田部長にお尋ねいたしますが、最近の農水省の方針として、一律割り当て方式現行減反制度を見直して、各農家の意向に配慮しながら地域間で減反の配分を調整する、新たなる調整制度を取り入れることに関してであります。しかも、減反面積を達成できなかった自治体に基盤整備の補助金を支給しないなどの罰則を廃止するということでありますが、本県の場合どのような影響があるかをまずお尋ねいたします。  中山間地では条件の不利な地域を多く抱え、大変担い手も不足し、高齢者が多いということで大変でありますが、この機会に、国土保全の立場から、今後とも中山間地にさらなる協力を推し進めていただくことをお願いをいたしておきます。  さて、次は林業関係でありますが、過日、委員会視察で訪れました熊本県の、「悠木の里づくり」を進めている小国町というところがございます。堀田部長も参加されて御承知と思いますが、戦後、日本最大の規模を誇る木造建築物小国ドームなどがあるところであります。ここは第三セクター方式悠木産業株式会社が設立されておりますが、町が1,000万円、森林組合が1,000万円出資され、30歳程度の若い人たちが30名も参加し、林業を支えるホープとして活躍しておるのであります。すべてサラリーマン化しておりまして、朝8時半のラジオ体操の朝礼で顔を合わせてから、伐採班、搬出班などに分かれ出発していくのであります。しかも、彼らの給与を聞いてみると、公務員並みとのこと。まことに山林にこだまする若人の声が山を明るくいたしておるのであります。  この町は世界の細菌学者北里柴三郎博士の誕生の地でもあり、この町は木の文化、木の復権をかけた試みと、町を挙げて山を守り、育て、活用しているところであります。あらゆる建物が木造で、地元材を使用することが義務づけられているのであります。  そこで、堀田部長にお尋ねいたしますが、我が県では造林公社が森林公社に改組になった折でもあり、加えて平成8年には本県で緑化祭が開かれることでもありますが、ひとつ山村開発の一環として、こうしたモデル地区を指定し、育成してみる気持ちはないか、御所見をお伺いいたします。  次に、厚生関係で1点質問させていただきます。  県内の老人保健施設長期入所者が多いことを御存じでありましょうか。老人保健施設は、病院で治療を終えたお年寄りが自立するための機能を回復する場でありますが、医療と福祉の中間に位置づけられ、入所期間は大体6カ月が目安とされておるのであります。ところが、平成4年末の調査では、県内に19ある老人保健施設の1,418人の入所期間は、25%に当たる360人以上が1年以上であることがわかったのであります。  私の考えでは、自宅復帰を阻んでいる要因として、中には、痴呆症が進行して特別老人ホームが満床であったり、自宅が高齢者向けに改造されていないとか、家族が共稼ぎであってやむを得ないとか、日中の介護ができないなど、お年寄りを受け入れる側の態勢が整っていないと考えるのであります。こうした解決には、住宅改良を促進する融資制度の充実やヘルパーの増加、あるいはデイサービスの時間延長などが必要なのであります。自宅で生活できる環境が整えば、長期入所者の割合も大きく違ってくると思いますが、現在の実態がわかれば教えていただきたいし、今後の対策について吉田部長のお考えをお聞きいたします。  それでは最後に、寅さん映画のパートツーについてお伺いいたします。  私は、前回の予算議会でこの問題を取り上げたときに、少なからず自責の念にとらわれたのであります。それは、富山県や私たち民間が、まずどれだけ金銭の負担があるかといった点にあまりこだわり過ぎたからであります。今、心中深く反省いたしております。  四半世紀にもわたり続いたこのシリーズは、基本的に心優しい人々を描いている。現代のような殺伐とした時代に、明るく、夢を託そうとするものであります。既に地元葛飾区では、ふるさとが10億円を出して寅さんセンターを決定するなど、教育的効果も大きいのであります。寅さんの言葉をかりますと「結構、毛だらけ、猫灰だらけ」、不況にあえぐ今の世をまさに明るくするものと言えるでありましょうし、再び問いますが、企画部長の寅さん映画富山ロケーションについての御見解をお伺いいたします。  最後に知事さんにお尋ねいたしますが、私たちはささやかな準備会を計画しておるのであります。その事務局長である岩瀬の西宮さんが、知事さんに書簡を出しておるのであります。私信でありますが、陳情の性格なので一部を読ませていただきます。「最近のバブル崩壊後の激しい時代、働く従業員にとっても暗い毎日であります。米のことをとっても、本当に明るいニュースが聞けないきょうこのごろであります。県の財政の苦しさや、あるいは大きなイベントがあることはわかっております。今だからこそ、明るい、夢のある寅さんの映画を富山でつくってほしい。原谷敬吾さんからも励ましのお手紙をいただいております。私たちも全力を挙げてやりますので、知事さんの絶大な御協力をお願いしたい」というものであります。知事さんの御所見をお伺いして、質問を終わりたいと思います。 4 ◯議長(西島栄作君)中沖知事。    〔知事中沖 豊君登壇〕 5 ◯知事(中沖 豊君)川島議員の御質問にお答えいたします。  最初は、最近の政治情勢についての御質問でありますが、まず、政治改革が議論されているが所見はどうかという御質問からお答えいたします。  御案内のように、一昨日の21日に、政府税制調査会は税制改正についての答申を行ったところであります。この答申におきましては、個人所得課税の軽減、消費課税の充実、地方税源の充実などについて述べられております。個人所得課税の軽減や消費課税の充実等につきましては、これは非常に重要な問題でありまして、今後国会などにおいて十分論議されるものと考えておりまして、これらの動向を注視してまいりたいと考えております。  また、地方行財政を預かる知事という立場で特に申し上げたいのは、地方税源の充実の問題であります。この答申によりますと、「地方分権の推進は時代の要請であり、特に高齢化社会の進展とともに、地域福祉の担い手である地方団体において、地方税源の充実、確保が必要である」とされておりまして、創設が検討されている地方消費税については、「今後さらに幅広く検討を行い、可及的速やかに審議を行うこととしたい」とされているところであります。私としましては、地方税源の充実のため、地方消費税の創設について政府等へ要請してきたところでありまして、今後十分配慮をしていただきたいと考えております。  次の質問は、羽田内閣は公共料金の年内凍結を発表したが、県の公共料金の対応はどうかという御質問であります。  去る5月に国におきましては、公共料金につきまして本年中は引き上げを実施しないことを閣議了解いたしまして、地方公共団体に対しましても、この閣議了解を踏まえ、適切な対応を図るよう通知があったところであります。  本県におきましては、御案内のように、使用料などの公共料金につきましては、これまで原則として3年ごとに計画的に改定を行ってきておるのでありまして、次回の改定は平成8年度になっております。平成6年度の本年度は、青少年宿泊施設の使用料などごく一部のものにつきまして、議会の議決をいただき、去る4月から引き上げを行ったところでありまして、今後年内に公共料金を引き上げることは予定いたしておりません。  次は新幹線問題についての御質問であります。  連立政権によって見直しが先送りされたが、どう受けとめているかという御質問であります。  整備新幹線のいわゆる5年後の見直しにつきましては、先日の自由民主党の宮本議員の代表質問にお答えしたとおりでありますが、去る2月の大蔵・運輸・自治の3大臣申し合わせにおきまして、既に着工している3線5区間の整備を着実に推進することにしておりますが、最も重要な課題であります建設財源や未着工区間の取り扱いについては、平成9年以降新しい基本スキームを検討し、その成案を得ることとされております。これは、20年余にわたり熱心に運動を展開してきた北陸新幹線沿線住民の要望にこたえていないものでありまして、まことに遺憾であります。  北陸新幹線につきましては、これまでも与野党を問わず、その必要性について御理解をいただいてきたところでありますが、今後とも関係都府県等との密接な連携のもとに、北陸新幹線の全線整備が一日も早く実現されるように、政府や与野党の関係の皆さん方に引き続き粘り強く働きかけてまいりたいと考えております。  次は、これからの運動の展開についてどう取り組むかという御質問であります。  北陸新幹線建設促進運動につきましては、ただいま申し上げましたが、20年余の長きにわたり、それこそ血のにじむような運動を展開し、努力してきたつもりであります。この間、県議会の皆さん方にも党派を超えて積極的な御支援、御協力をいただいてきておるところでありまして、心からお礼を申し上げたいと存じます。  いつも申し上げておりますように、北陸新幹線日本海国土軸の形成や国土の均衡ある発展に不可欠な国家的なプロジェクトでありまして、また、東海道新幹線の代替補完機能を有し、極めて重要な役割を担っているものであります。今後とも、議員や関係の皆さん方と一致協力し、北陸新幹線の一日も早い全線整備に向けて、関係各方面に引き続き粘り強く働きかけてまいりたいと考えております。今後とも御尽力をお願い申し上げる次第であります。  最後は、寅さん映画についての御質問であります。  先日、富山県を舞台とした寅さん映画をつくってもらいたいという内容のお手紙をいただきましたが、手紙の文面からは、寅さん映画誘致に対する意気込みと熱意が十分感じられる内容でありました。  『男はつらいよ』寅さんシリーズが富山県を舞台に制作されれば、寅さん映画を通じて、全国に向けて富山県が紹介されることになり、富山県のイメージアップなどに大きく貢献するものと思っております。  しかしながら、誘致につきましては、制作協力費や前売り券のあっせん協力などいろいろな問題がありまして、さきの3月県議会でも答弁申し上げましたように、民間が主体となって取り組んでいただきたいと考えているのであります。「川島さん、つらいよ」ということかもしれませんが、どうぞ御努力をお願いしたいと思います。  以上であります。 6 ◯議長(西島栄作君)内貴総務部長。    〔総務部長内貴 滋君登壇〕 7 ◯総務部長(内貴 滋君)減税の実施の具体的な方法についてのお尋ねにお答えいたします。  まず、減税の額でございますけれども、所得税につきましては御案内のとおり200万円を限度に、住民税につきましては20万円を限度に、それぞれ税額の20%相当額を減税することとされております。夫婦・子供2人の標準世帯で、給与収入700万円としてモデル計算をいたしますと、所得税5万6,000円、住民税4万6,000円、合計10万2,000円程度の減税額となると見込んでおります。  次に、この減税の具体的な方法でございますけれども、お尋ねのそれぞれについて申し上げますと、まず第1の源泉徴収に係る給与所得者の場合につきましては、まず所得税は、6月と12月の2回に分けて減税分を源泉徴収を調整する形で還付されることとなります。したがいまして、6月に一時金が出る場合には、そこでも調整が行われるということでございます。それから住民税につきましては、6月、7月分の住民税を徴収しないという形で減税が実施されることになります。  次に、自営業者等の方々の場合でございますけれども、まず所得税は、確定申告において減税額を控除することとなるわけですが、予定納税をする場合には3期に分割して減税分を控除する形で減税が実施されることとなります。それから住民税ですけれども、4期の納付のうちに、第1期の6月において減税額を控除するという形で実施されることとなります。  最後に、年金受給者のお尋ねですけれども、所得税のほうは今申し上げましたサラリーマンと同様な形で、それから住民税のほうは自営業者と同様な形で減税が実施されることとなります。 8 ◯議長(西島栄作君)市丸企画部長。    〔企画部長市丸正年君登壇〕 9 ◯企画部長(市丸正年君)まず、新幹線問題についてのうち、地元負担軽減問題についての運動を今後どういう見通しに立って展開するのかというお尋ねにお答えいたします。  整備新幹線は国土の均衡ある発展を図るための国家的プロジェクトであり、基本的には国の責任において整備されるべきものであると考えております。こうしたことから、これまでも国の公共事業予算の大幅な増加と地域負担に対する適切な財源措置が図られるよう、国などに対し強く働きかけてまいったところであります。  地域負担に対する財源措置の見通しにつきましては、現状ではなかなか困難でありますが、1つには、今後新幹線の建設が進むと地域の負担も次第に増大してくること、2つには、整備新幹線の沿線地域には財政基盤の脆弱な地方公共団体が多いこと、3つには、これまで整備されました東海道、山陽、東北、上越の各新幹線には国家的プロジェクトとして地域負担が課せられなかったこととの均衡に配慮される必要があること、こういったことから、今後とも整備新幹線関係18都道府県などと力を合わせ、政府など関係各方面に対し、引き続き財源措置が図られますよう積極的に働きかけてまいりたいと考えております。  次は、第三セクターについて、JRが経営主体になるべきと考えるがどうかというお尋ねにお答えいたします。  整備新幹線の建設に伴う並行在来線の取り扱いにつきましては、御案内のとおり、平成2年12月の政府・与党申し合わせにおきまして、新たに建設着工する区間の並行在来線は、開業時にJRの経営から分離することを認可前に確認することとされております。この申し合わせに基づき、JR西日本管内石動-津幡間及び糸魚川-魚津間につきましては、新線開業時にJR西日本の経営から分離されることとなっており、同区間の経営が移管されることとなる第三セクターにつきまして、JR西日本が主体となってその経営を行うということにはならないと考えております。  なお、両区間の第三セクター化を円滑に進めるため、JR西日本に対しましては、人的、技術的支援等を通じまして、経営面、安全面、サービス面等の各方面において最大限の協力をするよう要請をしているところであります。  次は、寅さん映画についての御質問のうち、寅さん映画について誘致の機運が盛り上がっているが、県として今後どう取り組んでいくのかというお尋ねにお答えいたします。  この『男はつらいよ』寅さんシリーズのロケ地を富山県に誘致するため、県内の市民グループが中心となりまして、本年4月以降、寅さんを富山に呼ぶための推進体制や取り組みにつきまして、県内関係機関へ理解と賛同を得る努力が続けられていると聞いております。  この問題につきましては、先ほど知事からもお答え申し上げたとおり、誘致に際しましては幾つかの問題がありまして、こうした中で誘致を進めるには、民間が主体となってできるだけ多くの県内関係機関等が参加した誘致実行委員会を組織して、制作費協力や前売り券のあっせん協力などの問題について十分努力していただくことが、まず必要ではないかと思っております。そのうえで県としても相談に乗ってまいりたいと考えております。  以上であります。 10 ◯議長(西島栄作君)堀田農林水産部長。    〔農林水産部長堀田 稔君登壇〕 11 ◯農林水産部長(堀田 稔君)農業問題についてお答えいたします。  まず最初は、減反配分を地域間調整する方向で検討されておるが、富山県の影響はどうかという御質問でございます。  今後の生産調整のあり方につきまして、現在、国の農政審議会において検討されているところでございますが、一律割り当て的な方向ではなく、生産調整の参加を農業者の判断にゆだねる、いわゆる選択制の導入についても議論されていると聞いております。  御質問の、選択制を前提として減反配分を地域間で調整する方式は、国がまず生産力や需給動向をもとに転作等目標面積を設定する、そのうえで、農家の希望や地域の特性を踏まえ、市町村や農業団体が中心となって各地域間で配分を調整し、集落ごとに転作等目標面積を決める方法ではないかと想定をしております。しかし、現段階では、選択制をとった場合の全量の需給調整方法や、選択に当たってのいろいろの諸条件が明確でないことから、また、市町村なり集落間で調整の責任を持たせるということは、方向の変更でもございますし、かなり問題があると、かように考えております。今までも農産園芸局において、主要米作6県の部長からいろいろ意見を聴取されたこともございます。この方式変更に当たっては、またそういう機会をとらえて適切な調整方法になるようにいろいろ意見を具申したいと、かように考えております。  次の、熊本県小国町の悠木産業のような半官半民の経営体について、県でも中山間地振興のためにモデル的に取り組んではどうかという御質問でございます。お答えをいたします。  中山間地域の活性化を図るためには、農業はもとより、地域の過半を占める森林の多様な機能を発揮させる林業の振興が大変重要であると考えております。県といたしましてはこれまでも、林業の振興のために県産材振興対策や林業担い手対策、森林組合基盤強化対策など、各種施策を展開してきたところでございます。  御提案の熊本県小国町の悠木産業は、町と森林組合の出資により設立された第三セクター方式でありまして、育林や出材の森林生産活動に加えまして、木材の製材や建築など多様な経営を行い、林業従事者の就業条件を町職員並みに改善することによりまして、林業担い手を確保しようとするものであると考えております。この小国町は、古くから林業を主たる産業とする山間地域の小さな町でございますが、最近の林業担い手の減少や高齢化から町の将来に危惧を感じ、何とか対策を考えたいということから、それでも森林組合を中心にという考えもございましたが、森林組合の規模が弱小であることなどから、林業担い手を確保するために町が積極的に支援する必要があるということで、この第三セクターが設立されたものと考えております。  富山県におきましての林業生産活動は、今まで県や公団、公社などの機関造林で、分収造林が主体でございまして、森林組合の果たす割合が大変大きいことから、広域合併の推進など森林組合の基盤強化に努めてきたところでございます。林業担い手対策につきましても、この強化された森林組合を中心として、賃金や社会保障など雇用条件の向上を図るため、県産材の生産加工や地域の特産物の販売等による森林組合の多角経営の推進、冬の就労の場を確保し通年雇用体制を確立するために、山菜加工や木工加工の施設等の導入に努めるほか、重労働からの解放や省力化を図るため、林道網の整備や林業機械の導入などに取り組んできたところでございます。  今後は、これらの施策をさらに推進するほか、21世紀に向けての県産材時代に備えて効率的な出材体制を整えるため、今年改組いたしました森林公社に設置されました林業カレッジで高性能林業機械オペレーターを養成するとともに、林業人づくり基金で社会保障制度など就労条件の改善等を支援すること、また、林業担い手センターでの就労に関する情報の提供などを進めまして、林業担い手確保に努めることとしております。  このようなことから、本県といたしましては、森林組合、森林公社を中心に林業の担い手の確保を図り、生産活動を活性化したいと考えておりますので、現在はこの方向で鋭意努力していきたいと考えておりますが、将来この中で、経営や財政規模等、森林組合の活動の中では困難な問題が出てきますれば、この小国町のような第三セクターによる方式をも検討していかなければならないと考えております。 12 ◯議長(西島栄作君)吉田厚生部長。    〔厚生部長吉田哲彦君登壇〕 13 ◯厚生部長(吉田哲彦君)老人福祉問題のうち、老人保健施設におきます長期入所者の状況についての御質問にお答えいたします。  老人保健施設は、ねたきり老人等に対し介護や機能訓練などのサービスを提供することによりまして、その自立を支援し、家庭への復帰を目指す施設であります。しかしながら、老人保健施設の入所期間につきましては、全国的に見ましても長期化の傾向にありまして、本県におきましても、1年以上入所されている方々が全入所者の約3分の1程度となっております。今後、長期入所者が増加することによりまして、老人保健施設の家庭復帰や在宅ケアを支援する機能が損なわれることのないよう、入所者の家庭復帰をさらに促進していく必要があると考えております。  このため、長期入所者についての家庭復帰の阻害要因などの調査研究を進め、その改善に努めることは大変重要なことと考えております。ただ、県内の老人保健施設の運営状況を考えますと、長期入所者の割合に施設間のばらつきがありますことや、入所者の家庭環境にも大きく関係いたしますことから、調査方法などにつきまして十分検討する必要がありますので、県の老人保健施設協議会とも協議しながら研究を進めてまいりたいと思っておるところであります。また、この調査を行うに当たりましても、入所期間の長期化傾向は全国的な問題でもございますので、国の研究状況といったものも十分見きわめながら対処する必要があろうかと考えております。  以上でございます。 14 ◯議長(西島栄作君)中尾 正君。    〔27番中尾 正君登壇〕 15 ◯27番(中尾 正君)私は、質問に入る前に──朝、目をあけまして新聞を見ますと、上市町は3歳未満児の医療費無料化について町長が答弁をされておるわけです。我が党も代表質問で申し上げましたように、県当局についても少し考えてもらいたいなと、こう思っておるわけであります。これは質問でございませんが、申し上げておきます。  それでは質問に入ります。  まず第1、富山県のFAZ──フォーリン・アクセス・ゾーン構想についてお伺いいたします。  平成4年7月16日、輸入の促進及び対内投資事業の円滑化に関する臨時措置法、略称輸入促進法が施行になり、平成5年3月24日に、大阪府の関西国際空港地域、大阪市・大阪南港地域、神戸市・神戸港地域、愛媛県・松山港地域、北九州市・北九州港地域、長崎県・長崎空港地域などが第1次承認地域となりました。その中で、愛媛県の伊賀貞雪知事は何としてもFAZの一番列車に乗りたいとして積極的に誘致活動を展開、全国の地方自治体に先駆けて初年度指定を受けたのであります。まさに地方港の第1号であります。  愛媛県FAZ構想は、平成5年12月に資本金を増額のうえ34億2,700万円で出発し、愛媛FAZ株式会社を設立したのであります。総事業費は約190億円をかけ、国際見本市に対応した展示場をはじめ、地場産品を展示する物産観光センター、イベント広場となるFAZプラザなどが入居する愛媛FAZ産業交流会館を3万4,340平米、116億円で、また、輸入貨物の冷凍冷蔵倉庫、流通加工施設などで構成するFAZ物流高度化基盤施設を5万4,000平米、74億円で建設することとし、平成6年3月に両施設が民活法──民間事業者の能力の活用による特定施設の整備の促進に関する臨時措置法の適用を受け、建設資金のめどが立ったことから、今後はポートセールスの実施や展示会、商談会の誘致といったソフト面の整備が求められておるのであります。また、中核施設となるFAZ産業交流会館の建設は、本年7月に着工し、平成7年11月に完成が見込まれているのでありまして、全国自治体の試金石と見られております。  そこで質問に入りますが、まず第1に、富山県FAZ構想計画について、同基本計画策定委員会において平成6年度中の申請を目指すとしておるのでありますが、構想の計画について、現状、どのように進んでいるのか。また、申請のめど並びにタイムリミットをどこに置いておるのか、あわせて商工労働部長の所見を問うものであります。  第2に、FAZの整備構想を円滑に推進するために、県庁内に早急に整備推進組織を設置すべきであると思うがどうか。その構成メンバーを含め、所見を問うものであります。  第3に、FAZが成功するための第三セクターの設立見込みと資本金規模などについて、現在どの程度進展をみておるのか。また、そのタイムリミットをいつごろと考えておるのか所見を問うものであります。  第4に、環日本海経済交流の活発化を図ることによって物流の増加が見込まれるが、そのためには市場環境調査を行うことが大切であり、中国東北3省──遼寧省、吉林省、黒龍江省や、ロシア沿海地方に経済交流市場開拓使節団を派遣する考えはないか所見を問うものであります。  第5に、施設整備は小さく生み、熟度に沿って大きく育てることを基本にということで富山県FAZ構想はありますが、これら施設と新たなる基盤施設をネットワーク化することにより効率的な機能展開が図られる施設の配置は、分散型配置とするとなっておるわけでありますが、施設整備の短期、中長期計画、場所、規模などについてどのような構想を考えているのか。ネットワーク化とあわせ、知事の所見を問うものであります。  次に、地方拠点都市地域の指定についてお伺いいたします。  西部地方拠点都市地域基本計画は、平成5年4月27日に知事の地域指定を受け、平成6年3月7日、高岡市長ほか18市町村長は基本計画の承認を申請、平成6年3月16日、知事が基本計画を承認されたのであります。  その基本計画の内容については、膨大であり、省略をいたしますが、知事は提案理由の中で、今後同計画が円滑に推進されるよう指導、支援をしていくと述べられておるのでありますが、県西部拠点都市地域基本計画の推進に当たって具体的にどのような指導、支援をしていくのか、企画部長の所見を問うものであります。  次に、地方拠点都市地域の2巡目の指定に関し、国土庁、建設省など関係5省庁が、名乗りを上げた25都道府県の26地域すべてを協議対象とすることを決定し、9月ごろにも指定されるとの報道がなされております。その中で石川県は、中能登地域に続き加賀・小松地域が入っておるのでありますが、本県は、対象となっている地域はないのであります。知事は提案理由の中で、県内2カ所目の指定に向けて引き続き検討してまいりたいと述べておるのでありますが、今後の指定は県東部地域が予想されるところでありましょうが、どのように指定に向けスケジュールを進めていくのか、知事の御所見を伺いたいと、このように思います。  次に、道路問題についてお伺いします。  地域高規格道路については、平成5年度を初年度とする第11次道路整備5カ年計画の主要施策として打ち出されたものであります。建設省では、長期的には6,000から8,000キロメートルを目標とし、第11次道路整備5カ年計画期間内には2,000キロメートルの指定をするとされておるのであります。そうして、事業化の見通しの確実な区間からまず1,000キロを指定し、その後、事業化の熟度に応じて段階的に指定をしていくとしているのであります。  本県の全県一都市社会の形成や30分交通圏の確立に大きく寄与することから、指定される要件を踏まえ、富山高山連絡道路、高岡環状道路、富山高岡連絡道路、富山外郭環状道路の4路線について地域高規格道路としての指定を建設省に要望し、去る17日、上京のうえ陳情をされておるのでありますが、路線ごとに指定見込みはどのようになっておるのか、土木部長の所見を問うものであります。  次に、北陸高速自動車道に仮称富山西インターチェンジと高岡インターチェンジの新設について、富山、高岡の両市が中心になって運動が進められておるのでありますが、県は現時点においてどのような認識と見通しを持っておるのか所見を問うものであります。  次に、高岡市の牧野・姫野地区は、高岡市でありながら、新湊市を通過しなければ行けない飛び地であることは御承知のとおりであります。高岡市から高岡市へ行けないのが牧野・姫野地域であります。国道8号線の渋滞を解消するため、補完する道路として、高新大橋の下流に新たに橋をかけ、臨港線と結ぶ都市計画道路北島牧野線2,100メートルについて、平成3年度より調査が行われておるのでありますが、いまだに着工の見込みがないのはまことに遺憾に存じます。本格着工の見通しはどのように考えておるのか、スケジュールを明らかにされたいのであります。また、おくれておる理由とネックはどこにあるのか、土木部長の所見を問うものであります。  次に、道路交通法改正後の過積載の指導についてお伺いいたします。
     5月10日から施行された道路交通法一部改正は、過積載車両に対する重量測定の強化を柱にして、交通事故及び災害を一層抑止するために規定の整備がなされ、法改正の趣旨に沿って過積載を社会から追放していくためには、その背景にある自動車等の使用者及び荷主等の責任を追及し、その要因を除去することが肝要であります。したがって県警本部では、昨年から事前予防対策として、関係機関や団体、関係業界と緊密な連絡をとりながら、過積載防止対策会議の開催、さらには要請文、説明のパンフレットの送付、マスメディアを活用した広報活動を積極的に展開されているところであります。法施行後、約1カ月余りの月日が経過いたしましたが、その間の過積載取り締まり状況等の推移はどのようなものになっておるのか、県警本部長の所見を問うものであります。  また、今後の対策として、荷主や運送業者による過積載追放大会や、使用者や荷主等を対象とした研修会を反復して開催するなど、各種広報啓発活動を一層強化し、周知徹底を図るべきだと考えるが、県警本部長の所見を問うものであります。  次に、過積載防止対策連絡会議設置要綱が一部補強され、平成6年4月8日付をもって、総務庁を中心とした関係省庁からの通達により過積載防止連絡会議を拡充強化することとし、同会議の中に運送業者団体や運輸関係の労働団体等も加え、さらには地方公共団体の交通安全対策主管部局、道路管理者などの参加を得、より広範な構成とするなど充実強化を図ることになったのであります。  先進県である大阪の例では、構成メンバーは近畿海運局、大阪陸運局、近畿地方建設局、大阪労働基準局、近畿通産局、大阪府、大阪市、府警本部、阪神高速公団、トラック協会、ダンプ協会、関係労働団体で構成され、同会議の連絡窓口及び取りまとめは自治体交通安全対策主管部局となっております。また、主要活動として、1、懇談会において各構成団体ごとの毎年度の過積載防止対策の具体的方針の協議及び取り組み状況の実態把握と点検。2つ目として、懇談会として荷主・事業者に対する啓発活動。3つ目として、共同アピールキャンペーン等、懇談会としての共同行動となっておるのであります。  この主要活動を参考に、この際、過積載防止対策会議の充実強化を図るべきだと考えるが、生活環境部長の所見を問うものであります。  次に、産業保健推進センターについてお伺いいたします。  高齢化の進展や生活習慣の変化等に伴い、高血圧症等の基礎疾患を有する労働者が増加し、いわゆる過労死問題とも相まって、職場における脳・心臓疾患の発症、重症化等の予防対策の重要性が指摘されておるのであります。一方、産業構造の変化、技術革新の進展等による労働形態の変化に伴い、心理的なストレスや新たなる労働衛生上の課題も多く生じておるのであります。  このような労働者の健康問題について的確に対処するためには、企業みずからが、職場における労働者の健康管理等のかなめである産業医を中心に、健康管理、作業環境管理、健康教育等の労働者の健康の保持増進に関する措置を積極的に推進していくことが不可欠であります。これら産業医等の活動を支援することを目的に、都道府県ごとに産業保健センターが設置されることになったと承っておるのでありますが、このことに関し質問をいたします。  まず第1点目といたしまして、今月27日開設の産業保健推進センターの概要と今後の活動方針はどのようなものか、商工労働部長の所見を問うものであります。  このセンターは従業員50人未満の事業所を対象とするものであるが、設立の趣旨の徹底と啓発活動についてどのように実施をしていくのか、所見を問うものであります。  3つ目といたしまして、県内の未組織の職業病患者等の健康指導と支援などの活動について、どのようにこの中で取り組んでいくのか、その方針を問うものであります。  次に、先ほど川島議員の質問の中で、知事から地方消費税等の問題について発言がありましたが、私は引き続いて、分権と地方税ということについて一言お尋ねいたします。  国と地方との財政支出の割合は、平成3年度決算ベースで国が36.1%、地方が63.9%と、地方が非常に大きく上回っておるのでありますが、税の配分は、国税64.3%に対し地方税は35.7%にすぎないのが現状であります。地方分権により、地方として自主財源を充実強化されることが強く望まれるのであります。  第1に、本年度の所得税、住民税の定率減税措置によって約42億円の個人住民税の特別減税が実施されましたが、この減税措置は単年度のみとするのか、平成7年度以降も継続をして実施するのか、総務部長の所見を問うものであります。  第2に、全国知事会は今月7日、地方税源の充実強化のため、政府に対し地方消費税の導入について要望したところでありますが、地方消費税の導入の必要性について知事はコメントを新聞に発表されておるのであります。地方消費税に対する認識と基本的な姿勢について知事の所見を問うものであります。  以上をもって終わります。 16 ◯議長(西島栄作君)中沖知事。    〔知事中沖 豊君登壇〕 17 ◯知事(中沖 豊君)中尾議員の御質問にお答えいたします。  第1点は、富山FAZ、つまりフォーリン・アクセス・ゾーン、輸入促進地域構想についての御質問であります。  施設整備の短期、中長期計画についてどのような構想を立てているか。また、施設整備のネットワーク化についてどのように考えているかという御質問にお答えいたします。  輸入促進地域、フォーリン・アクセス・ゾーンの整備につきましては、富山県FAZ基本計画策定委員会におきまして基本計画の策定作業が進められているところであります。この委員会におきましては、第1に、施設整備の基本的な方針としましては、一度に過大な投資をするのではなく、短期的には、需要の高い当面必要な施設を優先して整備を図り、中長期的には、ロシア、中国などの対岸諸国の情勢や貿易量の動向を踏まえて、順次必要な施設の整備拡大を図っていく必要があるとしているところであります。  第2に、施設整備のネットワーク化につきましては、富山新港、伏木港、富山港及び富山空港地区のそれぞれの特色ある機能を生かしながら、各地区の既存施設と今後整備される施設を効率的に連携させ、総体として本県の新たな輸入促進基盤を創設していくことが重要であるとしているところであります。  県といたしましては、今後この基本計画の考え方を踏まえまして、国への申請に必要な富山県地域輸入促進計画を策定していくことにしておりますが、この計画の実現化に当たりましては、関係団体、関係事業者、経済界などの熱意と協力が不可欠であります。今後とも官民一体となりました取り組みを進めまして、今後、国の承認を受けて整備が図られるように努力してまいりたいと考えております。  次の御質問は、地方拠点都市地域の指定についての御質問でありますが、地方拠点都市地域の2巡目の指定について今後どのように進めていくのかという御質問にお答えいたします。  今回、関係5省庁から協議の対象とすることとして発表されました26の地域は、ことしの3月現在、当該道県におきまして1カ所目の基本計画の承認がなされており、かつ2カ所目の指定協議についてのヒアリングを受ける準備が整っていた地域であります。今後、諸手続を経て、この秋にも2カ所目の地域について第1次の指定がなされると見られております。また、国におきましては、2カ所目の指定につきまして、第2次の指定協議をこの秋にも行うものと聞いております。  県といたしましては、現在協議が進められておる26の地域の状況などの把握に努めまして、2カ所目の指定に向けて検討をしてまいりたいと考えております。  最後は、分権と地方税についての御質問のうち、地方消費税に対する認識と基本的な姿勢についての御質問にお答えいたします。  地方消費税は、現在、国から地方団体に譲与されております消費譲与税を地方独立税として組みかえるものでありまして、全国知事会などを中心に地方団体を挙げて創設について要望してきたところであります。  地方分権の推進は時代の要請であり、今後も、高齢化社会への対応など豊かな県民生活の実現のために、地方団体の役割がますます増大することが予想されるところであります。これに対応するために安定的な地方税体系の確立と地方税源の充実が必要でありまして、そのためにも地方消費税の創設が必要であると考えております。  今回の政府税制調査会の答申では、地方税源の充実、確保が必要であるとの観点から、地方消費税については「今後さらに幅広く検討を行い、可及的速やかに審議を行うこととしたい」とされたところでありまして、私としましても評価をしているところであります。地方税源の充実のための地方消費税の創設は、ぜひとも実現してもらいたいものというふうに考えておりまして、議員各位の御尽力もお願いしたいと思います。  以上であります。 18 ◯議長(西島栄作君)佐藤商工労働部長。    〔商工労働部長佐藤哲哉君登壇〕 19 ◯商工労働部長(佐藤哲哉君)FAZ構想の申請のめどとタイムリミットにつきましてのお尋ねについてお答え申し上げます。  富山県のFAZの基本計画につきましては、民間調査研究機関に委託をいたしまして基本計画案の作成を進めてきたところでありますが、委託先において設置をされております富山県FAZ基本計画策定委員会において、本県の特性を生かした対象品目の選定や必要な施設の概要などの計画案がかたまってきたところであります。  今後、県といたしましては、この基本計画をもとに、国への申請に必要な富山県地域輸入促進計画の策定に入るとともに、これと並行して、国の承認の条件であります第三セクターの設立のめどに向けての準備を進めていきたいと考えております。  申請のタイムリミットといたしましては、いわゆるFAZ法の施行期日が平成8年5月までとなっておりますので、このスケジュールを十分念頭に置いて、今後関係団体や関連事業者などの関係者の方々と協議をしながら、できるだけ早い時期に国への申請ができますよう努めてまいりたいと考えております。  FAZの整備を円滑に推進するための庁内整備推進組織の設置につきましてのお尋ねについてお答えをいたします。  FAZの基本計画の策定に当たりましては、庁内の関係部局と連絡調整を密にするために、富山県FAZ基本計画策定委員会において土木部などの関係課長が幹事として参画をし、議論に加わっているところであります。今後、国の承認を受けまして整備事業を進めていくためには、関係業界のみならず、庁内の関係各課との連絡調整や連携が従来にも増して必要になるものでありますので、今後の進捗状況を勘案しながら、本県の庁内の連絡体制につきまして検討を進めてまいりたいと考えております。  続きまして、第三セクターの設立見込みと資本金規模、そのタイムリミットに関しましてのお尋ねについてお答えをいたします。  第三セクターの設立につきましては、現在、富山県FAZ基本計画策定委員会を母体に、今後個別企業の参加を得て、官民一体となったFAZ推進のための組織を設置し、そこにおきまして施設の建設に必要な財源の確保や資本金の規模などについての具体的な検討が進められていくこととしております。  景気の先行きがまだまだ不透明な時期ではございますけれども、関係団体や関係事業者の方々とも十分協議をしながら、いわゆるFAZ法の施行期日が当面平成8年5月であることを念頭に置き、この時期までに第三セクターが設立され、建設に一部着手することが求められているという条件もございますので、この期日、条件を十分念頭に置いて、できるだけ早期に準備ができますよう進めてまいりたいと考えております。  続きまして、市場環境調査のために、中国東北3省、ロシア沿海地方に経済交流市場開拓使節団を派遣する考えはないかというお尋ねについてお答えいたします。  本県におきましてはこれまで、友好提携先である中国遼寧省には投資環境調査団を、またロシア沿海地方には経済事情視察団を派遣してきたところでございます。また、中国吉林省や黒龍江省などは穀物などの産品の輸出に大変熱心であり、これらの地域での図們江開発計画をはじめ、さまざまな開発計画の進捗状況を見きわめながら、今後これら地域の経済交流事情を検討していく必要があると考えております。  県といたしましては、昨年10月に開始をいたしました環日本海貿易交流センター事業において、これらの地域に関する情報収集や調査研究を進めているところでありますが、今後とも、これらの地域との貿易・経済交流の可能性について、情報収集、調査研究が各種のいろいろな方法を通じて適切に行われますように研究、検討してまいりたいと考えております。  次に、産業保健推進センターのお尋ねのうち、産業保健センターの概要と今後の活動方針についてのお尋ねについてお答えをいたします。  産業保健推進センターは、各企業の産業医の活動支援を行うとともに、産業医のいない中小企業に働く勤労者の日常的な健康管理と、健康を損なうことのないよう事前の予防を充実することを目的としまして、平成5年度より労働福祉事業団が創設を始め、全国に同センターの設置が進められているところであります。富山県におきましても来る6月27日に、医師会の連携のもと、富山駅北地区で、前富山県医師会会長を所長さんとして、その他職員3名の計4名で開設されることとなっております。  同センターの事業の内容ですが、第1番目に、中小企業事業者やその勤労者に対します産業保健に関する広報啓発、専門的な相談、情報の収集・提供、調査研究が事業としてあります。第2に、産業医などに対する研修やその支援。第3には、50人以下の中小零細企業を対象といたします地域産業保健センターへの指導、支援などが主な業務でございます。  今年度においては、設立された初年度ということもあり、このような事業内容の着実な実施と、同センターの機能、事業内容のPRを行い、中小企業に働く勤労者の健康保持の増進に努めるというこのセンターの目的が達成されますよう、このような活動を同センターにしていただきたいと考えているところでございます。  続きまして、産業保健センターの設立の趣旨の徹底と啓発活動についてのお尋ねについてお答え申し上げます。  中小企業で働きます勤労者の健康問題に的確に対処していくためには、中小企業の事業主に産業保健推進センターや地域産業保健センターの存在、さらにはその事業内容をよく承知していただき、これらを積極的に活用していただくことが肝要と考えております。このため県といたしましても、産業保健推進センターの事業内容や産業保健活動に対する中小企業の事業主の理解を深めるために、定期刊行物、さらには各種会議、セミナー、講演会などいろいろな機会を通じまして、センターの設立の趣旨の周知や事業内容の紹介などの啓発活動に努めてまいりたいと考えております。  最後でございますが、産業保健推進センターの役割として、未組織である職業病患者の方々の健康指導や支援などの活動についてどう取り組むかというお尋ねについてお答えを申し上げます。  職業病の防止につきましては、労働安全衛生法により、ガス、粉じん、放射線、振動などによる健康障害を防止するため、事業主は必要な措置を講じなければならないということになっております。また、職業病患者などに対します健康指導及び支援などについては、労働安全衛生法に基づき、国が労働基準局を通じて統一的に健康診断や予防策などを講じているところであります。また、万一、職業性の疾病が発症した場合は、労働者災害補償保険法により、患者に対しまして療養補償や障害補償などが国において行われているところであります。  県といたしましても、産業保健推進センターが設置されることでもあり、中小企業の事業者や勤労者、さらには産業医などが、同センターに対しまして職業病に対する健康相談や職業病の予防などについての方法など幅広く相談ができますように、そのセンターの事業の実施方について今後センターと協議を進めてまいりたいと考えております。  以上でございます。 20 ◯議長(西島栄作君)市丸企画部長。    〔企画部長市丸正年君登壇〕 21 ◯企画部長(市丸正年君)地方拠点都市地域の指定についての質問のうち、県西部の基本計画の推進についてどのような指導、支援をしていくのかというお尋ねにお答えいたします。  県西部地方拠点都市地域基本計画につきましては、去る3月16日に承認したところであります。この承認基本計画に基づく事業の円滑な推進によりまして、食・住・遊・学の備わった魅力ある拠点都市地域が形成されることを期待しております。県としましては、関係部局間の連携を図りつつ、国や県の関連事業の推進を図るとともに、市町村に対しましてもできる限りの指導、支援をしていきたいと考えております。  具体的に申し上げますと、地域の骨格道路やオフィス・アルカディア等の整備を進めるとともに、市町村に対する地方債の配慮やふるさと市町村圏基金の造成に対する補助、さらには民間事業に対するふるさと融資の優先適用などの支援措置を積極的に進めていきたいと考えております。また、基本計画に掲げられております建設省所管事業のうち、特に整備効果の高い事業につきましては重点的に整備を進めるため、この5月に関係市町村、県、建設省から成る連絡会議を設置し、その具体的な実施計画、すなわちアクションプログラムの策定にも取り組んでいるところであります。  以上でございます。 22 ◯議長(西島栄作君)望月土木部長。    〔土木部長望月倫也君登壇〕 23 ◯土木部長(望月倫也君)道路問題についての御質問にお答えを申し上げます。  まず、地域高規格道路の要望4路線の路線ごとの指定の見通しについてでございます。  地域高規格道路につきましては、御指摘のとおり、本県として国道41号の富山高山連絡道路、高岡環状道路など4路線の指定を建設省に要望しているところであります。これまで全国から出された要望は非常に多いと聞いておりますが、現在、建設省ではそれらの路線につきまして、路線の性格や構造規格、事業化の見通しなどの観点から、指定規模、具体的な指定方法などの検討が行われているところであります。このようなことから、現段階では、本県要望路線の指定につきまして路線ごとの見通しを立てることは難しい状況にあります。  いずれにしましても、地域高規格道路は本県の発展のため重要なものと考えており、その指定に向け、関係市町村、関係同盟会とも連携し、引き続き国に対し強力に働きかけてまいりたいと考えております。  次に、北陸高速自動車道仮称富山西インターチェンジと高岡インターチェンジの新設についてどのような認識と見通しを持っているのかという御質問でございます。  北陸自動車道に新たにインターチェンジを設置する場合には、開発事業者の負担によります開発型のインターチェンジとなりまして、1つには、開発計画が確実に行われ、資金計画が明確になっていること、次に新規発生交通量が相当量見込まれること、さらに連結道路等が整備されることなどの条件を満たし、国土開発幹線自動車道建設審議会、いわゆる国幹審と呼んでいますが、その承認を得る必要があります。  このため、まず、御質問の仮称富山西インターチェンジにつきましては、これまで富山市が主体となって開発事業計画策定調査などの諸調査を実施され、既に開発事業主体となる第三セクターの設立発起人会が開催されるなど、次期国幹審──これは開催日時は未定でございますが、それに向け鋭意諸準備が進められておるところであります。県といたしましても、富山西インターチェンジの設置は、国道41号の混雑緩和や富山市西部地域等の振興や活性化に大きく寄与することなど必要性が高いと認識しておりまして、今後ともその実現に向け支援してまいりたいと考えております。  次に、仮称高岡インターチェンジにつきましては、これまで高岡市が中心となって設置している高岡市高速道路活用地域開発調査検討委員会におきまして検討がされているところでありますが、新たな交通量の増加が見込めないこと、時間的なメリットが小さいこと、開発事業計画が明らかになっていないことなど、いろいろ検討すべき難しい課題があると認識しております。  最後に、都市計画道路北島牧野線について本格着工の見通しはどうなっているのかという質問でございます。  都市計画道路北島牧野線につきましては、高岡方面から新湊市を経由し富山新港背後地を結ぶ幹線道路であり、また、国道8号、415号の交通緩和を図る観点から極めて重要な路線であります。本路線につきましては、これまで高岡市側と富山新港側から整備を進めてきたところでありまして、御質問の庄川架橋を含む未整備区間につきましては、昭和41年に都市計画決定したものでありますが、その後の社会経済情勢の変化やモータリゼーションの進展に伴いまして、道路構造規格などを見直す必要が生じてきております。このため、現在、高岡市、新湊市が中心となりまして、北島牧野線及び周辺地域道路整備検討委員会を組織しまして鋭意検討されているところであります。  県としましては、この検討結果を踏まえて、今後、高岡市、新湊市とも十分連携をとりながら、事業費の確保を含む整備計画を立案していくなど、事業化に向けて取り組んでまいりたいと考えております。 24 ◯議長(西島栄作君)千葉警察本部長。    〔警察本部長千葉行雄君登壇〕 25 ◯警察本部長(千葉行雄君)道路交通法改正後の過積載の指導に関する質問にお答えをいたします。  初めに、改正道路交通法施行1カ月余りの間の取り締まり状況等の推移についてであります。  御案内のとおり、改正道路交通法は去る5月10日に施行されましたが、施行後1カ月間の過積載取り締まり件数は64件でございまして、施行前の1カ月間の取り締まり件数118件と比較をいたしますというと、ほぼ半減いたしております。また、10割以上の過積載違反につきましては、これも16件から6件と顕著に減少をいたしておりまして、中でも大型車の10割以上の違反というのは皆無でございました。  改正道路交通法施行後、運送業界内で定量積載の機運が醸成されつつありまして、実態に改善の兆しがうかがわれるところでありますが、こういう状態が定着するかどうかということにつきましては、もう少し長い目で見ていくことが必要ではないかと、このように考えております。  次に、各種広報啓発活動についての御質問でございます。  昨年5月この法律は公布されたわけでございますけれども、その後1年間にわたりまして、議員御指摘のとおり、過積載運行の罰則の強化と、車両使用者に対する過積載防止措置の指示や荷主に対する再発防止命令等の背後責任追及など、過積載違反の根源に踏み込んだ法改正の内容につきまして、その周知徹底を図るため、関係機関・団体、業界等と緊密な連携を図りながら、過積載防止対策会議の開催をはじめといたしまして、運送業者、荷主、業界等を対象にした会議やセミナーの開催、さらにはパンフレットの配布、マスコミを通じた広報活動等、広報啓発に努めてまいったところでございます。  今後とも、過積載追放の機運を一層醸成させるために、差し枠装着車等の悪質危険な過積載を重点に効果的な指導取り締まりを行うとともに、これまでと同様各種広報啓発活動を推進し、過積載の防止に努めてまいりたいと考えております。  いずれにいたしましても、過積載の問題というのは極めて構造的な問題を含んでいるということも承知をいたしておりますが、悲惨な交通事故を防止するという立場から、運送業者をはじめとする関係の皆さん方の御理解と、その実践を特にお願いを申し上げる次第でございます。 26 ◯議長(西島栄作君)炭谷生活環境部長。    〔生活環境部長炭谷秀樹君登壇〕 27 ◯生活環境部長(炭谷秀樹君)過積載の指導についてのうちの、過積載防止対策連絡会議について、運送事業者団体や運輸労働団体等を加えて充実強化を図るべきでないかというお尋ねにお答えを申し上げます。  富山県過積載防止対策連絡会議につきましては、昭和59年、国の通達に基づきまして、過積載の防止対策に関する情報の交換及び連絡調整を行うため設置され、県の交通安全対策主管部局、県警察本部、富山陸運支局で構成され、運営されてきたところであります。この会議では、過積載防止のパンフレットの作成などの啓発活動や、過積載の実態や防止対策の取り組み状況、関係団体の指導、育成の強化などについて情報交換、協議をしているところであります。  過積載の取り締まり規定の整備及び罰則の強化等を内容とする道路交通法の一部が改正されました。これにあわせて、先般、国の関係省庁において、過積載の防止のための関係機関、関係団体の協力体制の整備を図ることなどについて申し合わせがなされたところであります。特に本対策の効果的な推進を図るため、過積載防止対策連絡会議についてはその充実を図ることが示されたところであります。  県といたしましては、交通安全対策として過積載による違法運行の防止対策を推進する観点から、この会議の組織体制の充実強化を図る必要があると考えております。このため、新たな構成機関等につきましては、関係省庁の申し合わせの趣旨を踏まえまして道路管理者を加えるほか、必要に応じ関係行政機関、関係団体の参加や関係者の意見を聞く機会を設けることなどについて、他の構成機関と十分協議してまいりたいと考えております。 28 ◯議長(西島栄作君)内貴総務部長。    〔総務部長内貴 滋君登壇〕 29 ◯総務部長(内貴 滋君)減税が平成7年度以降に実施されるかどうかというお尋ねにお答えいたします。  まず所得税につきましては、平成6年度の特別減税につきまして、1年限りの特例措置として、平成6年分所得税の特別減税のための臨時措置法により実施されるものでありますが、同法附則には「平成7年分以後の所得税については、速やかに、税制全般の在り方について検討を加えて税制改革を行い、抜本的な所得税の減税を行うものとする」とされております。  また、個人県民税の特別減税につきましては、地方税法及び地方財政法の一部を改正する法律により実施されることとなっておりますが、「恒久的な個人住民税減税とその財源問題についても、地方税の直間比率の是正等の観点を踏まえた税制の改革の中で結論を得ること」との衆参両院の附帯決議がなされているところでございます。  いずれにいたしましても、来年度以降の減税施策の取り扱いにつきましては、今後国会等において十分検討されるものと考えておりますが、仮に減税が継続される場合には、県財政を担当する者といたしましては、明確な財源補てんがなされ、富山県財政、富山県の市町村財政に対する十分な配慮が必要であると考えておりまして、御指摘のとおり、景気に左右されやすい都道府県の税収構造について十分な配慮のもとに、地方税財源の確保に最大限の努力が払われるべきものと考えております。 30 ◯議長(西島栄作君)中尾 正君。    〔27番中尾 正君登壇〕 31 ◯27番(中尾 正君)まず第1点ですが、一番最後に総務部長からお話があったわけですが、所得税が引き続き減税をされていく、こういうことならば地方における財源措置をというような表現であったわけです。一般的に今、世論の流れ、あるいは税調、政府関係からいきまして、アメリカのそういうこともありますが、所得税減税が実施されていくことについては大方常識になっていますね。そういう場合に県民税だけまた上がるのかと、こういうことはないと思いますが、そのへんもう一回明確にお願いします。
     それから、知事にお伺いしますが、その必要性、意味はわかりましたが、今3%ですね。その約5分の1が譲与税として戻っておるわけですが、地方消費税ということになると、例えば、率は3%であるというならば、3%のうち国が何%、あるいは地方が何%という意味に解釈ができるのかどうか。そのへんについて、これからの議論ではありましょうが、知事の認識をお伺いしておきたいと思います。  それから、フォーリン・アクセス・ゾーンの問題でございますが、庁内の検討委員会ですね。愛媛の場合は申請をしない先から準備として庁内のものを持っておるんです。そのほかに経済界や学者、その他民間が入ったものがあるわけです。富山県の場合は、原谷会長をトップにして32人程度の委員会があることは承知しておるんですが、なぜ県庁内にそういうものについての連絡調整をする機関構成がないのか。これはやっぱりFAZ構想にかける県の熱意がないんではないかと、こういうふうに思いますね。  それからもう1つ、産業保健推進センターの件でございますが、先ほど答弁されたのは、一般論として企業に働く労働者、勤労者、こういうことが中心でありまして、この趣旨につきましては50人以下ということですから、それはよく理解するわけでありますが、問題は、パート労働やいろんなことで──最近はこういう労使関係というものははっきりしておりますけれども、御存じのように以前は、不特定多数の企業にそれぞれ、名簿確認のないまま、要するに籍のないまま働いておったと。そのことによって現在職業病患者がおるわけでございますが、こういう方々も、こういう中で健康相談あるいはこれからの適切な支援等についてできるのかどうか、こういう点をお聞きしておるわけでありまして、もう一度その点の御答弁をお願いしたいと思います。 32 ◯議長(西島栄作君)中沖知事。    〔知事中沖 豊君登壇〕 33 ◯知事(中沖 豊君)中尾議員の再質問にお答えいたします。  地方消費税は、現在の消費譲与税を地方独立税として地方消費税に切りかえるだけのものでありまして、その点十分御理解をいただきたいというふうに思っております。  いずれにいたしましても、地方分権、私の言葉で申しますと地方集権をこれから進めていかなければならないわけでありまして、そのためには地方の税財源が確保されることが重要でありまして、ぜひ地方消費税が独立財源として確保されますように、議員各位の御尽力をお願い申し上げたいと思うわけであります。 34 ◯議長(西島栄作君)内貴総務部長。    〔総務部長内貴 滋君登壇〕 35 ◯総務部長(内貴 滋君)来年度以降の減税の取り扱いでございますけれども、いずれにいたしましても、今後国で十分議論をされて検討をなされるというふうに思っておりますので、その動向を県といたしましても見きわめていく必要があるというふうに思っております。  なお、個人県民税の問題でございますけれども、先ほど申し上げましたように、今回の地方税法及び地方財政法の一部を改正する法律の審議に際しての衆参両院の附帯決議では、御指摘ありましたように、地方税の直間比率の是正とかいろいろなことを踏まえて、税制の改革の中で結論を得るというふうにされているところでございます。議員御指摘のとおり、ことしは42億円の当初予算で県の個人県民税の減税分を見込んでいるわけでございますけれども、所得税と住民税にはいろいろ制度的な違いもございますし、税収の累進構造につきましても、住民税の場合は所得税に比べて非常に均衡化といいますか、しておりますので、その点等も十分配慮して、今後十分審議がなされるものと考えております。 36 ◯議長(西島栄作君)佐藤商工労働部長。    〔商工労働部長佐藤哲哉君登壇〕 37 ◯商工労働部長(佐藤哲哉君)FAZの庁内組織についてのお尋ねについてお答えいたします。  FAZの庁内組織につきましては、ただいまも御答弁申し上げましたように、関係部局との連携が今後具体的な計画の推進に当たりまして大変必要であると考えております。具体的には、港湾の整備、さらには輸入品に関するいろいろな加工施設整備、さらに物流問題などなど、関係各課との間の調整が必要になってまいりますので、どのような形をとるかまだ成案がございませんけれども、今後これらの庁内の関係各課との連絡調整、連携のための組織を整備してまいりたいと考えております。  それから産業保健センターにつきまして、未組織の、いわゆる企業の正規の勤労者でない方も対象になるかどうかというお尋ねでございますが、この産業保健センターの目的が、1つは中小企業の経営者、それから産業医のいない中小企業などに働く勤労者の方々の健康増進、さらには産業医に対する健康相談、この3つが大きな目的でございまして、2番目の、中小企業に働く勤労者が産業保健センターに健康相談においでになることが目的になっておりますので、未組織の方々の健康相談もこの保健センターで扱うことになっております。  以上でございます。 38 ◯議長(西島栄作君)中尾 正君。    〔27番中尾 正君登壇〕 39 ◯27番(中尾 正君)これでやめますけれども、皆さんお聞きになって、私は、総務部長の答弁は大蔵省と自治省の答弁であると、このように思うわけです。やっぱり富山県の段階でお話ししておりますから……。  ことしは税金が減税された。当初の出発は、単年度であるというそういう決めであったと、そういう条件がついておることは承知をしておるわけですが、一般県民からしますと、来年度からまた上がるなどということは考えておりません。そして、所得税とそういうものとは別であるとはいうものの、所得税の流れというのは、引き続きそういうものを続けていくと。そういうことでサミットのところでも約束をするわけですから、そうしますとやっぱり、所得税がそうなって、県・市民税のほうがまた戻るということはないんでないか。ですから、そのへんをもうひとつはっきり何か答えていただきたいと、こう思うんです。  それから、さっきちょっと聞こえませんでしたが、産業保健センター、未組織のがもそこでするということですね……。 40 ◯議長(西島栄作君)内貴総務部長。    〔総務部長内貴 滋君登壇〕 41 ◯総務部長(内貴 滋君)再々質問にお答えいたします。  総務部長に大変難しい問題をいろいろ御質問でございますけれども、いずれにしても来年度の税制改正につきましては、税調、それから国会等でこれから十分議論して、そのうえで取り扱いが決定されるわけですので、それを踏まえて県も考えなければいけない。御案内のとおり租税法律主義でございますので、法律に基づいて課税とかそういうことがみんな行われているわけですので、それを踏まえてやらなければならないということは、御案内のとおりでございます。  それから個人県民税につきましては、先ほど申しましたように違うといいますか、税率の累進構造等につきましても、議員御案内のとおり随分違っておりますので、そのへんを申し上げたわけでございますので、御理解いただきたいと思います。 42 ◯議長(西島栄作君)暫時休憩いたします。  午前11時54分休憩      ─────────────────────  午後1時17分開議 43 ◯副議長(中川久尚君)休憩前に引き続き会議を開きます。  坂田光文君。    〔1番坂田光文君登壇〕 44 ◯1番(坂田光文君)県政一般について質問いたします。  まず、社会福祉法人セーナー苑の改築についてお伺いいたします。県内最大規模の知的障害者の入所施設であるセーナー苑は、昭和41年に設立されてから既に30年近く経過しており、建物・施設の老朽化が著しく、加えて施設入所者の障害の重度化、高齢化が進み、現在の施設機能では、今日の多様な福祉ニーズに十分な対応がし切れない状況にきているのではないかと思うのであります。  セーナー苑は、児童施設、更生施設、授産施設の3施設を備えた知的障害者のための県内唯一の複合施設であることから、県内のほとんどの市町村から重度の障害者を受け入れており、現在、365名の方々が入所しておられます。現在、県内には県立施設を含め11の施設があり、入所定員は1,120人でありますので、セーナー苑は、実に県内施設入所者の3分の1を処遇しているのであります。  そこで、まずお聞きしたいのでありますが、今日まで当苑が果たしてきた役割の評価とともに、本県における知的障害者の推移と、これに伴う施設整備計画をどのように考えているのか。また、今後当苑が担っていく施設機能として期待する役割についてお伺いいたします。  私は、ここ数年、セーナー苑で開催される苑祭と運動会に出席させていただいているのですが、いつも胸に詰まるのは、人間が真に生きているというすばらしさと感動であります。運動会では、児童からお年寄りたちが一緒になって、お互いに励まし合いながら競技に取り組むその一生懸命な姿と、愛情にあふれた温かいまなざしで声援を送る家族や職員の方々、こうした光景の中で、屈託のない明るい笑顔で語りかけてくる苑生たちと一言、二言会話を交わすたびに、私は涙がにじみ、胸に熱いものが込み上げてくるのであります。苑生たちの中には、児童からお年寄りまで、そして、身寄りのない方もおられるのでありますが、苑生たちに声援を送る家族の方や職員の皆さんが、あたかも一つの家族のように感じられ、言葉では言いあらわせない温かさを感じるのであります。  こうした、まさに家族ともいえる苑生たちと、お世話をなさっておられる苑長さんをはじめ職員の方々が、建築後30年近くを経過し、居住環境が極めて劣悪化した施設で大変な努力をしておられるのであります。また、当施設は、これまで時代のニーズに即応する形で規模を拡大してきたため、施設の中は迷路に近い状態であり、一たん事があれば大変な事態に立ち至ることが危惧されるのであります。早急な改築が望まれるところであります。  こうした状況から、現在、改築について鋭意検討がなされていると聞いておりますが、申し上げるまでもなく、施設整備は、私は福祉の原点であると考えております。県はもちろんのこと、県下市町村、各種団体を含めた全県的な立場で、全面的財政支援のもとに、高齢化、重度化、重複障害化など、現在の多様な入所者のニーズに的確に対応し得る形での一日も早い改築が必要であると考えるのでありますが、当苑の改築計画について、改築時期や支援策などを含め、県はどのような対応をお考えなのか、知事にお伺いしたいのであります。しあわせに生きる富山県の創造に取り組んでいる県としては、障害を持つあらゆる人々が心豊かに充実した日々を送ることができるように、今後一層福祉が充実されることを念願し、次の質問に移ります。  午前中の中尾さんの質問に関連しますが、地域高規格道路についてお伺いいたします。  御承知のように、地域高規格道路は、全国的な高規格幹線道路網と連携して主要都市間の移動を容易にするものとして、建設省が第11次道路整備5カ年計画の主要施策として打ち出しているものであります。また、この道路は、高規格幹線道路並みの構造を持ち、時速80キロメートルぐらいのスピードで走る道路を目指すものであります。私は、従前から北陸関東産業道路の整備を主張してまいったわけでありますが、地域高規格道路の構想が発表されて以来、この道路の主要路線である国道41号線をぜひとも地域高規格道路として整備する必要があると考え、自来、強く訴えてきているところであります。  富山県は、三方を山に囲まれておりますが、三大都市圏からほぼ等距離にあり、直線距離では比較的近距離に位置していることから、発展の可能性は非常に高いと言われていることは御承知のとおりであります。このため、高速交通体系の整備が県の重要施策に位置づけられ、県内では、既に北陸自動車道の4車線化が決定され、東海北陸自動車道や能越自動車道の整備が着実に進められているところであり、知事をはじめ、関係各位の御努力に対し、心から敬意を表するものであります。  しかしながら、特に首都圏への時間距離を見ると、富山市と東京との直線距離は約240キロメートルでありますが、現在の時間距離は、関越自動車道経由で約5時間30分であります。これに対し、東京から直線距離で約240キロメートルの都市として、例えば新潟市がありますが、現在の時間距離は約3時間40分であります。このような現状を見ますと、首都圏はまだまだ遠いというのが実感であります。折しも、国の審議会において第四次全国総合開発計画の総点検が進められておりますが、先日発表された報告素案では、東京を世界都市として機能を充実し、その集積効果を全国に波及させるとともに、地域の連携を強化して、自立できる地方生活圏を形成させるというような趣旨が言われているようであります。このことからも、今後ますます首都圏や他県域との時間距離を短縮することが、本県にとって極めて重要な課題であると思うのであります。  また、本県の活性化には、他県域との地域間交流による県内の交流人口を増大させることも重要なことであります。富山県には、環日本海の交流拠点を形成する特定重要港湾伏木富山港や、富山空港が国際空港として整備されております。本県と岐阜県、特に飛騨地方とは古くから交流が盛んであり、「ブリ街道」「塩の道」といった道路を経由して富山の海産物が高山に運ばれるなど、長い交流の歴史があり、つながりが深いわけであり、国道41号を地域高規格道路として整備することにより、飛騨地方からの利便性が飛躍的に向上し、地域相互の交流の活性化にも重要な役割を発揮すると確信するものであります。  平成10年には、北陸や中部内陸地域と関東甲信越地域を結ぶ最大の交通の難所であった安房トンネルが開通いたします。安房トンネルは、首都圏への時間距離を大幅に短縮するほか、現在の約半年にも及ぶ冬期の交通止めを解消し、通年の交通を確保するなど、首都圏への交通事情を大幅に改善し、県内の経済などに大きなインパクトを与えるものと予想されます。このトンネルの開通には、県内の物流業界も大きな期待を抱いているところであり、この開通後は国道41号の交通量、とりわけ物流ニーズの多様性、高度化と、貨物輸送による自動車の役割の増大から、特にトラック輸送が大幅に増加すると考えられます。  現在、富山市、大沢野町では、国道41号の4車線化の工事が進められているところでありますが、今後、ますます混雑が予想されるところであります。大沢野町内では、沿道の土地利用が既に高度化しており、現在の計画をさらに拡幅することは困難であり、このことから、長期的な対応として、新たなルートによる地域高規格道路の整備構想の検討が必要であると考えるが、県の基本的な考え方をお伺いいたします。  また、この安房トンネルの開通のメリットを最大限に生かすためにも、国道41号富山-高山間の地域高規格道路の指定と早期整備が極めて重要であると考えるものであります。地域高規格道路の整備については、5カ年で2,000キロメートル程度が整備に着手することとされており、ことし中に約半分の1,000キロメートルが指定される見通しでありますが、既に、全国から5,500キロメートルに及ぶ指定要望がなされていると聞いております。  国道41号の地域高規格道路の指定と整備は、本県にとって欠くことのできないものであり、このような厳しい状況を踏まえると、富山-高山間の路線指定と県境までの県内調査区間の指定については、県の重要事項の中でも最重点事項として、国に対して強力に働きかけていかなければならないと考えるものでありますが、知事の取り組み方針と決意をお伺いいたします。  ところで、最近、さきの政府が決定した公共料金の年内凍結に関連して、その発端となったとされる高速料金の設定のあり方をめぐり、地方の高速道路整備を抑制するかのごとき意見を聞くところでありますが、このようなことは、地方における高速道路の整備促進にブレーキをかけるにとどまらず、その他の道路整備にも微妙に影響が及んでくるのではないかと大変危惧するのであります。  国道41号の地域高規格道路にいたしましても、高速道路を中心とした高規格幹線道路網の整備促進と歩調を合わせてこそ、その機能が発揮されるものであります。私は、高速道路は一般道路と異なり、利用者が負担を行いながら、均衡ある国土形成に必要不可欠である地方の高速道路の整備を図っていくことが、まさに国策として求められていると考えているものでありますが、この点につきましても、知事の率直な気持ちをあわせてお伺いしたいのであります。  道路は、いわゆる高速道路から市町村道路まで、都市部、地方部を問わず生活に密接に関連し、生活を基本から支える根幹的な基盤施設であります。第11次道路整備5カ年計画を着実に実施し、高規格幹線道路網を早期に完成させるとともに、地域高規格道路などの道路整備の促進について、今後とも一層努力されるよう要望いたします。  続いて、最後の質問といたしまして、小規模生活ダム調査についてお伺いいたします。  御承知のとおり、富山県は一級河川が神通川をはじめとする5大水系・206河川、二級河川30水系・98河川、大小合わせて300余の河川が動脈のように流れる水の大国であります。一昔前までは、3,000メートル級の山々に源を発する急峻な河川のはんらんに悩まされてきたわけですが、私たち先人は、不屈の精神と英知を結集し、水を治め、発電を興し、本日の富山県の基礎を築いてきたのであります。  このように、川とのかかわりを抜きにしては、富山県の歴史を語ることはできないのであります。ことしは、明治16年に富山県が誕生してから111年目に当たるのでありますが、御承知のように、治水を急務とする越中が、行政の重点を金沢中心の道路整備に置く加賀、能登に対して分県運動を起こしたのが発端であります。そこで、この111という数字が漢字の川に通じるということで、ことしを記念すべき年として、富山県が「とやま川の年」と位置づけ、川に親しみ、川に学ぶ各種の記念行事を行い、川を考えるスタートの年としたことは、かつて河川行政に携わり、本県におけるその重要性を身をもって痛感してきた者の一人として、高く評価しているところであります。  さて、このように治水事業の重要性が高い富山県では、現在、久婦須川ダムをはじめとする6つの補助ダムと、宇奈月、利賀の2つの直轄ダムが建設中であり、片貝川、湯道丸の2つのダムが実施調査中であります。また、早月川、上庄川水系、大岩川においても県単独の予備調査が行われているところであります。幸い、本年度は百瀬ダムの建設が新規採択されたほか、5月には、宇奈月直轄ダムの定礎式が行われるなど、富山県内における河川総合開発事業が着実に進展していることは、大変喜ばしいことであります。  しかしながら、最近の富山県における河川開発事業費を見ると、当初予算ベースで平成元年度の約155億円をピークとし、今年度は、その2分の1以下の約63億円となり、年々減少傾向をたどっております。確かに国予算においても、今年度新規採択された補助ダムは、全国15ダムと最近にない少ないものとなっておりますが、ダム建設は、山間部における唯一の、かつ大規模な総合的社会資本整備であり、道路整備、ダム周辺整備なども含めて考えると、観光や地域振興など、地域の活性化に大変重要な役割を果たしている事業として位置づけられているものであります。幸い、本県では、ここ数年大きな河川災害は発生しておりませんが、忘れたころにやってくるのが災害であり、県民の貴重な生命と財産を守り、地域の活性化を図る観点から、本県における河川総合開発事業の一層の促進を図る必要があると考えるのであります。  このような状況の中で、本年度の新規事業として、小河川における局地的な治水・利水対策のための小規模生活ダムの建設の可能性について、県内44河川において調査を行っているとのことであるが、このような調査を行うことは、今後のダム建設事業を計画的に、また着実に実施していくためには大変重要なことであると考えます。  また、県内では、既に小規模生活ダムとして、大谷ダム、池川ダム、船川ダムが建設中でありますが、小規模生活ダムは、通常のダムと比較して事業期間も短いことから、農山村地域における治水・利水に対する要望を早期に満たすことができるものであり、今後、小規模生活ダムの建設要望が増加するものと考えられます。そこで、この調査の概要と小規模生活ダム建設の手順、スケジュールはどのようになっているのかお伺いしたいのであります。  また、さきに述べたように、農山村地域における小規模生活ダムの重要性は非常に高く、特に大沢野町や大山町のように、背後を山々に囲まれ、たくさんの谷がある地域には、まさに小規模生活ダムが必要であると考えるものでありますが、今回の調査対象河川として、両町を流れる河川は含まれているのか、河川名もあわせてお伺いいたしまして、私の質問を終わります。 45 ◯副議長(中川久尚君)中沖知事。    〔知事中沖 豊君登壇〕 46 ◯知事(中沖 豊君)坂田議員の御質問にお答えいたします。  第1点は、社会福祉法人セーナー苑の改築についての御質問でありますが、セーナー苑の改築計画について、改築時期や支援策などを含め、どのような対応を考えているかという御質問にお答えいたします。  セーナー苑につきましては、施設建設後既に30年近く経過いたしまして、建物の老朽化が著しいことに加え、増築を重ねてきた施設でありまして、居住環境は決して良好なものではないと考えております。また、施設入所者の障害の重度化、高齢化が進みまして、現在の施設機能では、入所者の多様な福祉ニーズに対応し切れない状況にあると思います。このため、施設入所者の快適な生活環境を確保いたしますとともに、在宅の障害者や地域住民との交流支援事業の実施、それから県内関係施設との連携強化など、新しい時代の要請にこたえることができるような改築整備が必要であると考えております。  とりわけ、授産施設につきましては老朽化が著しい建物でありまして、かつ消防法の改正に伴うスプリンクラーの設置が平成7年度末までに義務づけられておることから、平成7年度の国の予算に対する重要要望事項として取り上げまして、積極的に支援していくこととしております。  全体を改築するということになりますと、相当の事業費と期間を必要とするわけでありますが、近く、セーナー苑におきましては、整備推進委員会を開催することとしておられまして、県内各界各層の意見を聞きながら、全体計画や建設スケジュール、建設財源などについて検討されると聞いております。県といたしましては、その検討結果を踏まえ、県民の幅広い協力のもとに積極的に支援してまいりたいと考えております。  次は、地域高規格道路についての御質問でありますが、国道41号富山-高山間の路線指定と、県境までの県内調査区間の指定についての取り組み方針、それから決意に関する御質問にお答えいたします。  地域高規格道路の指定につきましては、具体的な指定方法や時期などが明確にされておりませんが、建設省では平成9年度末までの第11次道路整備5カ年計画区間内で、おおむね2,000キロメートルを指定することとしておりまして、まず事業化の確実な区間から指定していく方針であります。  こうしたことから、県といたしましては、国の方針なども踏まえ、路線の重要性や整備の緊急性、事業化の見通しなど、いろいろな観点から検討いたしまして、国道41号の富山高山連絡道路、それから高岡環状道路、さらに国道8号の富山高岡連絡道路、富山外郭環状道路の4路線を候補路線として選定したところであります。  このうち、国道41号の富山高山連絡道路につきましては、高山市で中部縦貫自動車道に接続し、首都圏への最短のルートを形成するものでありまして、また、飛越地域の交流を飛躍的に促進する極めて重要な路線でもありまして、地域高規格道路としての整備がぜひ必要であると考えております。  このために、私も建設省に対しまして直接働きかけてきておるところでありまして、また県議会からも、建設企業常任委員長などにも要望をいただいておりまして、積極的に取り組んでおるところであります。今後とも、政府等に対する県の重要要望事項として掲げまして、岐阜県や沿線市町村と緊密な連携をとるとともに、議員各位の御協力も得ながら、国に対し、引き続き強力に働きかけてまいりたいと考えております。  次は、高速道路は一般道路と異なり、利用者が負担を行いながら均衡ある国土の形成を図るものであり、地方の高速道路の整備を図っていくことが国策として求められていると考えるが、高速道路料金の問題も含めて率直な所見を聞きたいという御質問にお答えいたします。  高速道路網の整備は、均衡ある国土の発展と、本県が環日本海交流の中核拠点として発展していくうえで極めて重要であり、これまでも積極的に取り組んできたところであります。本県の高速道路につきましては、北陸自動車道の上越-朝日間の4車線化の決定や、昨年の11月に東海北陸自動車道の上平-清見間の施行命令が出されるなど、着実に進展を見ておるところであります。こうした中でも、先般、高速道路の料金改定をめぐりましてさまざまな論議が行われ、当面多くの交通量を見込めない地方の高速道路の整備に対しましては、厳しい意見も出されております。  申し上げるまでもなく、高速道路は全国的なネットワークを形成してこそ大きな効果が発揮されるものでありまして、その整備推進は国土政策として最も重要な課題であります。その整備を推進するためには、現行の有料道路制度と全国料金プール制を堅持していくことが必要でありますし、また、利用料金につきましては、国費による助成の強化や経費の節約などの方策を講じたうえで、社会的なコンセンサスが得られるような適正な料金水準により、採算性を確保していくことが重要であると考えております。  いずれにいたしましても、地方にとりましては、高速道路やそれと一体となって機能する地域高規格道路の整備は必要不可欠でありまして、今後とも計画的な整備促進が図られますように、政府など関係機関に対しまして積極的に働きかけてまいりたいと考えております。  以上であります。 47 ◯副議長(中川久尚君)吉田厚生部長。    〔厚生部長吉田哲彦君登壇〕 48 ◯厚生部長(吉田哲彦君)社会福祉法人セーナー苑の改築についての中で、今日までセーナー苑が果たしてきた役割の評価とともに、本県における知的障害者数の推移と、これに伴います施設整備計画及び今後セーナー苑が担っていく施設機能についての御質問にお答え申し上げます。  セーナー苑は、昭和41年、精神薄弱者を持つ保護者の方々の願いが実り、県内外、各界各層の幅広い支援のもとに設立されました県内で最初の民間施設でありまして、県内最大規模のものであります。現在、県内のほとんどの市町村から、処遇の困難な重度の障害者を積極的に受け入れていただいております。また、長年他の県内の民間施設に対します指導的役割を果たすとともに、在宅者に対しますサービス事業を展開するなど、本県の障害者福祉の推進にとりまして、先導的な役割を果たしてきたものと考えております。  本県では昭和61年と平成3年に調査を行っておりますが、いずれも全体で4,400人余りの精神薄弱者を把握しております。傾向といたしましては、18歳以上の障害者の増加と重度・重複障害者の増加傾向が顕著になっており、入所型施設の整備が求められていると認識しております。このため従来から、精神薄弱者の入所型の施設につきましては逐次計画的に整備してきておりまして、平成4年度には上市町で、5年度には高岡市でそれぞれ整備を行ってき、さらに今年度は新湊市での整備を進めているところであります。  セーナー苑につきましては、先ほど知事からも御答弁申し上げましたように、今後とも、施設入所者の処遇改善や地域住民との交流促進や施設職員への研修の場の提供、あるいはボランティアの受け入れなど、県内の社会福祉施設の中核的存在としての役割を担っていただくことを期待しているところであります。  以上でございます。 49 ◯副議長(中川久尚君)望月土木部長。    〔土木部長望月倫也君登壇〕 50 ◯土木部長(望月倫也君)まず、地域高規格道路についての質問のうち、国道41号の新たなルートによる整備構想の検討の必要性についての御質問にお答え申し上げます。  地域高規格道路は、高速性、安全性を備えた道路として整備するものでありまして、その規格、構造としては、原則4車線以上で、設計速度が時速80キロメーターの自動車専用道路、またはこれに準ずる道路とされております。また、連続した中央分離帯の設置や交差点の立体化、歩道と車道の完全分離等により、沿道からの出入りが制限されるものになっております。  御指摘の国道41号の地域高規格道路のルートにつきましては、地形・地質等の自然条件や交通量の推移、沿道の土地利用、将来の開発動向など、いろいろな観点から検討する必要があるものと考えております。建設省におきましては、これまで山地部の区間につきまして概略ルート等の調査が実施されてきておりますが、今後、地域高規格道路の指定及び整備に向け、県内の要望区間全体につきまして、新たなルートによる整備も含めた具体的なルートの検討が進められていくものと考えております。  次に、小規模生活ダム調査についての概要とダム建設の手順、スケジュールはどのようになっているのか。それから、今回の調査対象河川として、大沢野町、大山町を流れる河川は含まれるのか、河川名もあわせて問うという御質問でございます。  小規模生活ダム建設事業は、昭和63年度に創設されたものでありまして、小河川におきます局地的な治水・利水を目的とすることから、ダム建設による受益地と水没地がおおむね同一生活圏であること、ダム高、流域面積及び貯水池容量等が比較的小さいこと等を除けば、通常のダム建設と基本的に変わることは少ないものであります。ただ通常、ダムが予備調査、実施計画調査、建設という段階を追って事業が進められ、実施計画調査から約20年の事業期間を要するのに対しまして、小規模生活ダムは、予備調査から即建設に入ることから、10年程度の比較的短期間に完成させることが可能でありまして、農山村地域の治水・利水に対する要望を早期に実現させることができるものであります。  今年度実施しております小規模生活ダムに関します調査は、ダム建設の必要性・緊急性等を検討し、建設に当たりまして、県としての長期計画をつくることを目的としておりまして、過去の水害状況、河川改修状況、ダム適地の地質状況等の現況調査や想定はんらん区域の資産調査、治水方法の経済比較等の治水対策の規模・方法の検討などを調査項目として行っております。  今回の調査では、県内で既に建設中の3つの小規模生活ダムの流域面積等を勘案しまして、44河川を対象としているところでありますが、この中には大沢野町の急滝川、虫谷川、大山町の小佐波川、楜ケ原川の4河川が調査対象河川に含まれているところでございます。 51 ◯副議長(中川久尚君)犬島 肇君。    〔24番犬島 肇君登壇〕 52 ◯24番(犬島 肇君)戦後最大といわれる今次不況は、富山県の雇用問題でかつて例のない様相を呈しています。100円を割る円高の新たな衝撃が加わっておりますが、新規学卒採用を見合わせたり、新規採用を削減する企業が多く、殊に女子学生に対する採用は一層暗いのでありますが、県はどのような強力な対策を推進するのか伺っておきます。
     2年前から北陸銀行、不二越のいわゆるリストラが始まり、最近では佐藤工業、インテックなど数多くの資本力のある企業が大量の人減らしを計画していると伝えられ、事務系管理職がリストラのターゲットにされている点も大きな特徴であります。  富山化学は、この3カ年で400人の人減らしを経営改善計画と称して推進しています。「あなたは5月1日付で退職していただきます。後がまも決まっております。長い間御苦労さまでした。退職金はこれだけです」と計算書を見せて、「けったらどうなるかおわかりですね。転身者支援制度は適用されなくなるし、解雇という嫌な言葉を言わせるなよ」。このように退職を「転身」などと言いくるめ、管理職を使い捨てにするのであります。この人は51歳。富山化学を医薬品メーカーの中堅企業にまで発展させるために心血を注いできました。  また、同世代の別の人は3月に突然呼び出しがかかり、「会社の状況は大体知ってるだろう。若い人はこれからだから、管理職にやめてもらうことにした」と言われ、詳しくわけを聞こうとすると、「それは君の知ったことではない。ともかく、できるだけ早く結論を聞かせてくれ」と言われているありさまであります。会社一筋に、「会社人間」「企業戦士」として働き続けてきたのであります。家庭も顧みずに働いている我が国のサラリーマンの社会病理的な姿を「社畜」とさえ言っている昨今ですが、まさに仕事を生きがいにしてきた中高年の管理職がねらい撃ちにされる事態には深刻なものがあります。五十八、九でやめるのであれば、「定年を前にして」という言いわけも成り立ちますが、会社に「間に合わんからやめてくれ」と言われるとあっては、「恥ずかしい話だが、会社にも行かんと何をしているかと言われやしないかと、昼間電話が自宅にかかっても受話器も取れない、兄弟や親戚にも会社をやめたことを言い出せない」というのであります。富山化学では、49歳の管理職も含み、退職者は既に40名を超えております。この管理職を対象とした退職の強要は、実質的に指名解雇と言うよりほかありません。  不二越には「シルバーライフ・プラン」などという中高年層追い出し作戦があり、北銀では55以上で4割ないし5割の賃金削減、3年間で管理職の1割削減、日平トヤマでは50歳以上、勤続20年以上の管理職の早期退職があります。  そこでお尋ねしますが、第1に、60歳定年制をひいている会社でも、リストラで、転身者支援制度など中間管理職を締め出す方針をとり始めれば、事実上、45歳で不断に雇用不安がつきまとうことになりませんか。また、高齢者雇用安定法改定が60歳定年の義務化を目指している中で、この法の精神を空洞化することにならないか所見を伺うものであります。  第2に、県当局は今次リストラの名による管理職などの退職の強要の実態をどのように把握しているのか。  第3に、数カ年または単年度で大量の解雇者を出そうとする動きがありますが、その全県的な実態を把握していますか。私の実感では、富山県ではジャパンエキスポのうたげの後に一挙に不況感が押し寄せてきたのでありますが、このエキスポの後、現在まで富山県では一体何人の人員削減計画が出されているのか、そのトータルを示されたいのであります。  政府が進める60歳定年制の義務化の方向や、65歳まで働く時代が来るとの前提で年金制度の改悪が推進されようとしている今、60歳定年制さえ事実上崩壊していく、横暴この上ないリストラの嵐が勤労県民を襲っているのでありますが、知事はこのような雇用・労働問題を法律任せにせず、富山県独自に対策を打っていく必要があります。  中間管理職への人減らしは極めて残酷なものであります。そもそも彼らには労働組合がないために、彼らを襲うリストラのきばには非力であります。管理職が労働組合をつくって退職強要を撤回させたという事例もありますが、管理職はそもそも組合を持たないために、雇用問題で相談するところもなく困っているので、県で相談・支援活動などを行うべきであります。所見を伺います。  会社から応援してくれと言われれば、二つ返事で慣れない営業職につき、全国を飛び回り、家族を犠牲にして単身赴任もしてきたわけです。そもそも、政府の『経済白書』1990年版にも、「80年代の10年間に国民1人当たり実質GNPは50%近く増大した。しかし、我々の生活がそれに見合うだけ豊かになったという実感は依然として乏しいという声が強い。こうしたGNPに代表される生産力の面と生活の豊かさのギャップの存在は、近年さまざまな角度から論じられるようになった問題である」と認めているとおり、80年代の10年間の間に、勤労国民は「会社に囲い込まれた労働者」と言われる状況となり、日本社会全体に非人間的社会が醸成されてきたのであります。長時間・過密労働の風潮は富山県庁の内部にもはびこり、「リフレッシュ・アフターファイブ」を呼びかけているではありませんか。我が国の80年代以降大きくあらわれてきた過労死も、イギリスでは19世紀の問題でした。この日本的現象を海外で説明しようにも、該当する語彙がないために、「Japanese Karoshi」が使われるありさまなのであります。現に富山県内でも弁護士たちの過労死相談事業が展開されているではありませんか。  そこで、このような劣悪な現状を打開するため、第1に、企業の一方的な都合による出向・転勤を適切に規制していく努力が必要ではありませんか。せめて1カ月以上の事前予告と、合理的理由のある場合本人の拒否権を擁護し、拒否を理由とする不利益扱いをやめるよう勧告することが必要であります。  第2に、遠隔地への転勤は家族帯同を原則とすることや、高校転入を容易にするための随時試験の実施などの措置が必要であります。  第3に、やむを得ず単身赴任する場合、原則として2年を超えてはならないとし、単身赴任手当、家族旅費支給、帰省のための特別休暇の保障などを企業側に働きかける富山県独自の努力が求められると考えられるのでありますが、県御当局の積極的な対応を求めるのであります。  このような酷薄な大企業利益優先の論理と風潮が、長時間・過密労働は言うに及ばず、管理職労働者の削減を引き起こし、加えて生活破壊と余裕のなさ、企業格差による賃金格差などに基づく所得格差、低水準の公的保障などが国民の購買力を低め、国内需要を小さくする要因となっているのであります。このような「おくれた日本」の側面が異常なまでの輸出ドライブの原因となって、貿易収支の黒字体質という「進んだ日本」を生み出すのであります。すなわち「経済大国」は「生活小国」が生み出したものにほかなりません。  富山化学は、このような酷薄な中間管理職の「転身支援」と称する人減らしを強行しながら、他方では、この2月に中国企業と提携するなど、生産の一部を中国に移す戦略をとり始めました。同社の大黒柱である抗生物質の生産・販売を中国で行うためであります。まさに、国内で人減らしを強行しつつ海外進出を推進していくのであります。経営者のバブル投機の失敗を労働者に転嫁しつつ、海外進出、産業空洞化を推し進めていくわけであります。  我が党の調査によれば、富山県内の企業のうち、海外に現地法人などの事業所を持っているものは43社に及び、プラザ合意以降、企業の本格的な海外進出が始まって、87年時点の現地従業員が、7年を経た93年では1万2,000名余りから1万8,000人を超えて、実に6,500人も増えているのであります。  そこでお尋ねいたしますが、第1に、この間、富山県ではテクノポリス政策、頭脳立地政策などで果たして雇用人数をどれほど増やすことができたのかであります。  第2に、最新のデータでは、富山県内企業の海外進出の動向にどのような特徴があるのか。  第3に、多国籍企業化している実態はどのように掌握されているのか伺うものであります。  富山化学の場合には、管理職に対しては「会社の状況は大体知っているだろう」などと経営危機をあおる一方で、巨額の内部留保をため込んでいるのであります。ちなみに、同社の内部留保──退職給与引当金、任意積立金、資本準備金などは93年で207億円に上るのでありますが、このように巨額の内部留保を持ちながら富山県内の工場の縮小・閉鎖などによって雇用を減らす企業を調査し、何らかの有効な規制をする必要があると考えますが、そのような対策を考えておりますか。  この点に関してさらにお尋ねをします。第1に、富山県で労働者・使用者・公益代表の3者から構成される雇用対策委員会を設置して、社会的に不当な解雇などを規制するよう求めるものであります。  第2に、富山県が誘致のために便宜を図ってきた企業が、一方的解雇、工場閉鎖・縮小などを食い逃げ的に行わないようにさせるため、県との事前協議を義務づける考えはありませんか。また、大企業の出先工場、子会社などに対して、計画の変更、一時停止などについて協議・勧告できるようにするべきであります。  ところで、4月の新日本化学の完全撤退に続いて、先月、富山市北部工業地帯のうち、歴史の古い昭和電工が主力部門のチタン生産を全面的に廃止することとし、80名の労働者の雇用が問題になっております。昭和電工はインドネシアのアサハン・プロジェクトに参加し、大規模なアルミ生産にも加わるなど海外の生産拠点を持つ大企業で、富山工場では新規事業を検討していると聞きますが、めどが定かでなく、富山県としては雇用の確保は当然、新規事業の導入を求めるなど、大企業の社会的責任を強く要請していただきたいのであります。  富山市北部工業地帯は、二度の石油ショック、円高不況などによって素材生産の停止、造船部門の停止など、その衰退が指摘されて久しいものがあります。今や深刻な産業空洞化が進行する地域になっております。  そもそも、我が岩瀬は、鎌倉・室町時代の「三津七湊」の一つとして栄え、江戸時代中期からは北前船で繁栄してきたのでありますが、昭和初年には、県都富山市にとっては唯一の海門としての富山港の整備と富岩運河開通があり、富山港線の完成などをベースに、戦後も豊富な電力を使う臨海工業地帯として発展して、富山県内の雇用を支えてきたのであります。富山市当局は富山外港建設期成同盟をつくるなど、港湾整備に一定の努力を開始しておりますが、この深刻な状況を踏まえ、対岸貿易やFAZ構想などを含む背後地の利用を含め、北部地域振興の全体的な計画が切望されます。豊かな歴史・文化を持つ地域でもあり、総合的な地域経済と産業再生のための調査と計画が必要であります。県と富山市が協力して将来構想を練るよう求めたいと思います。  不況は長期化し、頭脳立地法の指定を受けて造成されたイノベーションパークは、事業所建設に着手したところは1社もなく、更地のままであります。見通しはどうなのか。また、新県民総合計画におけるサイエンスパーク構想、小矢部地域における工業団地計画なども見直しが必要になっていないのか、所見を伺うものであります。  80年代の日本産業を先導した半導体・家電産業や自動車産業は行き詰まり、90年代不況は、我が国産業の今後の発展方向が不透明なものになっています。私はこの際、テクノポリス政策導入の際しきりに使われた「産業の内発的発展」という考え方を、今こそ高く掲げるべきであると考えるのであります。  例えば、住宅建設は好調に推移しており、平成6年版新国民生活指標で富山県が「住む」分野で全国第1位と評価されている点を、富山県産業の発展のために積極的に生かしていく視点であります。この点を富山県民の暮らしの中に内在する文化、シーズとして生かしていけば、文字どおり日本一の在宅福祉県を実現し得るのであります。  問題は、新築される住宅の質であります。自分や家族が障害者にならないという保証はなく、まして人は老化を避けられません。ライフサイクルを考えて住宅を建設する方向へ強力に政策的に誘導すること、高齢者の社会動向を踏まえた住宅やまちづくりのために政策を強化することが求められます。そのためには、建築分野のみならず、福祉などの広範な分野の技術・文化の発展も必要となってきます。私が昨年12月議会で要望したバリアフリーモデルハウス建設をはじめとして、積極的な努力が必要であります。こうしてこそ不況対策が同時に富山県の社会的・文化的改革につながっていくのであり、漫然としてはいられないのであります。知事の御所見を求めます。  教育問題です。  富山県の高等教育機関整備は、県立大学の大学院設置とともに、おくればせながら、介護福祉士養成の教育機関の整備が始まるなど新局面に入りました──新局面であります。富山県の高等教育機関の整備は、端的に言って、実に実利・実学主義であります。新産都市建設の際につくられた富山県立短期大学も、テクノポリス・頭脳立地の産業政策に照応して県立4年制大学も、実利主義、プラグマティックな学部・学科構成をとっているのであります。  しかし、既に我々の眼前に展開している高齢化やストレス社会、文化・福祉、環境問題などに対応できる高等教育機関を積極的に組み入れていかなければ、比喩的な言い方をすれば、富山県もある日突然に脳溢血で倒れてしまうのであります。富山県では今後どのように高等教育機関を整備していくのか、改めて検討が必要になっています。なかんずく、理学、作業、言語、音楽などの福祉関係高等教育機関整備は緊急の課題であります。今年度予算には福祉系及び看護系高等教育機関整備調査費が計上されましたが、今後の調査スケジュール、さらに立案などへの展開の方途を示されたいのであります。  また、介護福祉士の養成については、社会福祉士を含めて、富山女子短期大学以外にも養成機関をつくりたいとする意向を強く持って取り組んでいる人たちがいます。富山県としては、県立総合衛生学院の再生整備も含めて体系的な検討が必要と思われますが、この点の認識を明確にされたいのであります。  以上のように、工業優先に引き込まれた実学主義を克服し、福祉・教育・文科系なども体系的に整備されるなら、多様になった富山県の高等教育機関が地域に発信する学問と文化の力によって、21世紀に必要とする福祉マンパワーをはじめ、多彩な分野に若者が育つようになります。今、高校教育の再編が、来年度の総合学科制導入あるいは入学者選抜制度の改善などで始まろうとしていますが、富山県内に高校卒業後の高等教育機関が体系的に整備されていることが、高校教育改革にも力を発揮するのではないでしょうか。屋敷教育委員長の御所見を求める次第であります。  ところで、高等学校教育研究協議会を開いて論議を重ねてきた中で、今次改革の第一歩として、総合学科制導入をはじめとして改革を推進しようというのでありますが、改革に当たっては、第14期中教審答申が指摘しているとおり、「偏差値競争は日本の教育の最大の病理」なのであり、その克服のための理想の旗を高く掲げ、あくまで県民の意向を尊重し、民主的な手続を踏むことが改革の実を上げることになろうと考えるのであります。  富山県の教育行政を歴史的に見るとき、吉田知事時代に、新産業都市建設に必要なマンパワーを確保するために政府・文部省の教育政策を先取りして、上から強権的に推進するというやり方でありました。このたびの改革の推進に当たっては、あくまで高校教育現場の主体的な研究と討議をまつべきでありますが、県教育委員会はどのように進めるのか、基本的な方針を明確にされたいと思います。進路選択に当たって、中学生が「行ける学校選び」から「行きたい学校選び」へと選択できるように、高校の個性をつくり上げていくことは一朝にしてできるものでなく、十分に研究と実践を重ねていかなければならないのであります。  第14期中教審答申が「偏差値競争は日本の最大の病理」と述べていることは、徹底して重視されなければなりません。我が党は、偏差値競争に依拠した進路指導をやめ、偏差値による高校の学校間格差を是正しなければならないと一貫して主張してまいりました。  私は、教育行政にあっては、高校三原則、つまり総合制・男女共学制・小学区制という理念は、民主主義の公平・平等、基礎学力重視という原点を具体化したものとして、時と所が変わっても朽ちることのない普遍的な理想だと考えるものであります。この理念こそ、現実の高校教育のゆがみ、逸脱、偏向というものを照らしてみる、いわば北斗七星のようなものであると私は考えるのであります。この三原則をどう考えるか、屋敷教育委員長の高い御識見を披瀝願いたいのであります。  普通科と専門学科から成る高校に並ぶ新たな第三の学科としての総合学科の導入にあわせて、選抜制度の改善を行うとして、普通科にも推薦制を導入することに成算があるのか、この際伺っておきます。端的に言えば、いわゆる進学名門校とされる高校は、大学進学のために精鋭をつくり育てるわけであり、ここで学校の個性と言うに足るものがつくり出せるのか甚だ疑問であります。結局のところ、大枠では普通科高校、総合学科校、専門学科校という偏差値に収れんされる学力ヒエラルキーができ、その間に何段階もの序列化が残されていくのではないかとの疑問が解消できないのであります。この点の見通しも明確にされたいのであります。  最後に、いわゆる業者テスト、偏差値入試資料について所見を伺います。  昨年、中学校では業者テストが廃止され、かわって校長会テストが導入され、そのデータを学校間で交換することが禁止されました。ところが私は、北日本新聞の1月9日付「高校入試育英統一模試結果報告」という大キャンペーン記事を見て愕然としたのであります。これは、公然と学力による学校間格差を大々的に県民に公開する結果となっているではありませんか。現実暴露の悲哀も極まれりであります。これでは、公立学校がみずから手を汚すことはしなくなった、民間が偏差値でビジネスを行うようになってきた、つまり皮肉っぽく言えば、高校入試における規制緩和、民間活力導入ではないかと思ったのであります。そして民間は、学校の個性などを抹殺して、偏差値・学力による進学競争をあおり、唆しているとしか言いようがありません。このような民間テストを受けなければ高校に入られないとするならば、父母の教育費負担は増大するだけであります。県教育委員会はこのような民間の動向をどのように考えているか、御所見を求めるものであります。  なお、商工労働部長には言語明瞭、意味明瞭、そしてゆっくりと御答弁を賜りますよう、今回は特に懇請をして、質問を終えるものであります。 53 ◯副議長(中川久尚君)中沖知事。    〔知事中沖 豊君登壇〕 54 ◯知事(中沖 豊君)犬島議員の御質問にお答えいたします。  最初の質問は不況問題でありますが、まず、戦後最大といわれる今次不況により、新規学卒者や女子学生に対する採用は暗いが、県はどのような強力な政策を推進するのかという御質問からお答えいたします。  平成7年3月の新規学卒者の就職見通しにつきましては、各種のアンケート結果などから、昨年に増して各企業の求人の減少が懸念されておりまして、厳しい状況にあると認識いたしております。県といたしましては、県内において新規学卒者が円滑に就職できますように、去る6月8日付で富山県人材確保対策本部長、つまり私が本部長をいたしておりますが、その本部長名で、県内の従業員数50人以上の約1,200社に対しまして学卒求人確保の要請を行ったところであります。また、この中におきまして、女子学生についても不利な取り扱いをしないことなどを要請したところであります。  いずれにいたしましても、県といたしましては、高校、大学等の関係機関との連携を密にいたしまして、情報の収集・提供などきめ細かな対応により、新規学卒者の就職に万全を期してまいりたいと考えております。  次は、富山市北部工業地帯は深刻な状況にあるが、北部地域振興の全体的な計画が望まれる。県と富山市が協力して将来構想を練るよう求めるが、所見はどうかという御質問であります。  富山北部工業地帯における立地企業につきましては、最近、非常に厳しい状況に見舞われているところもあるわけでありまして、憂慮いたしております。富山北部工業地帯は、これまで本県の主要な工業地域として発展してきており、また環日本海交流の拠点づくりを目指すうえからも、この地域の活性化は非常に重要であると考えております。  富山北部工業地帯における産業の新たな展開につきましては、まず、企業において国際化の進展や産業構造の変化に対応し、将来的に成長が見込まれる分野や、国際化のもとで競争力があり、安定的に発展する分野への転換に積極的に取り組んでいただきたいと考えております。県といたしましても、ハイテク・ハイタッチ産業の育成の立場から、北部地域において新たな産業展開が図られるよう支援してまいりたいと考えております。  また、この地域の将来構想につきましては、今後、富山市において新たな都市像を明らかにする都市マスタープランを策定し、自然・歴史・文化・産業特性などを考慮した地域別構想を取りまとめられると聞いております。県といたしましては、富山市と緊密な連携をとりながら、北部地域の活性化が図られますように支援してまいりたいと考えております。  次は、イノベーションパークの見通しはどうか。また、サイエンスパーク構想、小矢部地域における工業団地計画なども見直しが必要になっていないのかという御質問であります。  富山イノベーションパークにつきましては、現在、14社が契約または仮契約によりまして用地を取得しておりますが、進出企業が大変景気の影響を受けている業種であるということから、現在のところ事業所の建設までには至っていない状況にあります。しかしながら、一部に景気回復の兆しが見え始めたことや、新たに土地取得を希望する企業もあるなど、事業所の建設着手に向けての状況が好転してきておりますので、引き続き早期の建設着手を働きかけてまいりたいと考えております。  次に、サイエンスパーク構想につきましては、技術革新や国際化、情報化に対応し、本県のハイテク化を目指すための長期構想として位置づけているものであります。この構想は、研究開発環境が整備された研究ゾーンとして考えられておりますが、テクノポリス計画や頭脳立地計画の進捗状況を見ながら、その具体化に向け引き続き検討を進めていきたいと考えております。  小矢部南部丘陵企業団地につきましては、今後の本県産業の活性化を図りますために新たな産業立地基盤の整備が必要なことから、地域や環境に配慮した、新しい考え方を取り入れた工業団地として開発を進めていきたいと考えているのでありまして、現在、環境現況調査を実施しておるところであります。  いずれにいたしましても、県といたしましては、すぐれた技術力、情報力、人材などを背景に産業立地基盤などの整備に努めてまいりまして、ハイテクとハイタッチの調和のとれた産業構造を目指してまいりたいと考えております。  次は、高齢化社会を踏まえた住宅やまちづくりのための政策の推進、バリアフリーモデルハウスの推進などの努力を払うことにより、不況対策が同時に富山県の社会文化的改革につながるのではないかという趣旨の御質問であります。  本年4月の経済企画庁が発表いたしました新国民生活指標によりますと、本県は「住む」分野において日本一の評価を得ているところであります。県といたしましてはこれまでも、高齢者の皆さん方が暮らしやすい住宅づくりやまちづくりのために、長寿社会対応住宅の指針の作成とその普及、高齢者などにも配慮した道路、公園等の公共施設の整備などに努力してきたところであります。また、県の住宅供給公社におきましては、御質問のありましたバリアフリー適応住宅のモデル的な建設について現在準備を進めております。  今後とも、本格的な高齢化社会の到来を見据え、だれもが安心して自立した生活が送れるように、豊かで質の高い住宅づくりやまちづくりに努めてまいりたいと考えております。  住宅建設は、御案内のように景気回復のため大変効果的でありますけれども、本県におきましては、おかげさまで現在好調に推移しておるところであります。今後このような施策を推進することが景気浮揚に資することになるわけでありますし、また、本県の生活環境の一層の改善、向上につながるものであると考えております。  次は、富山県の高等教育機関整備の方針の具体的展望と高校教育改革についての御質問でありますが、そのうちの、福祉系人材養成機関や看護系高等教育機関の調査スケジュール、立案などへの展開の方途について、また、介護福祉士の養成のための教育機関や、県立総合衛生学院の整備を含めて体系的な検討が必要と思われるがどうかという御質問にお答えいたします。  高齢化の進展などに伴いまして、資質の高い福祉の人材の養成・確保が求められていることから、県といたしましてはこれまで、福祉系人材養成機関や看護系高等教育機関のあり方につきまして、先進事例の調査や国の高等教育機関整備の動向などに関する情報収集など、調査研究を鋭意進めてまいりました。今後は、これまでの調査結果を踏まえ、関係団体などとも協議しながら、本県における福祉・看護系人材養成機関の整備について検討し、取り組んでまいりたいと考えております。  看護系人材につきましては、一昨年、富山医科薬科大学の看護学科が設置されまして、順調に推移しておるところでありまして、県といたしましても引き続き協力してまいりたいと考えております。  また、福祉系人材につきましては、まず、介護福祉士養成課程の設置を計画された富山女子短期大学に対しまして、積極的に支援、協力することとしており、今県議会において施設整備に係る債務負担行為についてお諮りしているところであります。  このほか、看護系人材や福祉系人材の養成に係る若干の計画についての相談もありますので、今後必要に応じて適切に助言してまいりたいと考えております。また、総合衛生学院などの専門教育機関のあり方につきましても、今後とも十分検討してまいりたいと考えております。  いずれにいたしましても、資質の高い人材の養成・確保は極めて重要な課題であると認識しておるのでありまして、今後ともこの問題に積極的に取り組んでまいりたいと考えております。  以上であります。 55 ◯副議長(中川久尚君)佐藤商工労働部長。    〔商工労働部長佐藤哲哉君登壇〕 56 ◯商工労働部長(佐藤哲哉君)不況問題につきまして、まず、60歳定年制をひいている会社でも中間管理職のリストラを進めるならば、事実上45歳で雇用不安が生ずることにならないか。また、高年齢者雇用安定法改正が60歳定年制の義務化を目指している中で、この法の精神が空洞化することにならないかということについてお答えいたします。  今回の長引く景気の低迷により、本県においても事業の見直し、再構築などを行う企業が一部に見られるところでありますが、これに伴う雇用不安や下請関連企業などへの悪影響が生じないよう、さらには中高年齢者が安易な雇用調整の対象とならないよう指導を強めてきたところであります。  このため、雇用の維持を目的とした雇用調整助成金の活用を積極的に進めているほか、雇用の安定を前提とした事業再構築を実施する事業主に対して支給されます雇用高度化助成金制度が、新たに国において3月31日より創設、実施されたところであり、その活用が図られるよう周知に努めているところであります。  また、今国会において60歳定年の義務化を柱とする高年齢者の雇用の安定等に関する法律の一部改正がなされ、平成10年4月1日から適用されることになったところでありますが、現在、本県における60歳以上の定年を定めている企業は88.6%となっており、高年齢者を多数雇用する奨励金、さらには継続雇用制度導入奨励金など各種の助成金の活用により雇用の安定と高年齢者の雇用の確保を図り、平成10年を待たずに60歳定年の完全定着に向け、一層の事業者の指導に努めてまいりたいと考えております。  続きまして、今回のリストラの名による管理職などの退職の強要の実態をどう把握しているかということについてお答えをいたします。  管理職を含めまして、労働者の解雇については労働基準法により規制がかけられておりますが、この労働基準法の基準を満たしていても、さらに判例によれば、整理・解雇について4点の条件が必要だというふうにされております。第1点は、整理・解雇を行うべき客観的必要性が存すること。第2点は、使用者が整理・解雇を回避する努力を尽くし、ほかに回避の方法がないこと。第3点は、整理・解雇基準が合理的で、労働者に対するその適用が妥当なものであること。第4点は、労働者側に対する説得・協議が十分に行われていることであります。この条件に反し整理・解雇が強要される場合には、その整理・解雇は無効とする司法判断がくだされており、その場合、司法上の救済がなされることと承知しております。  なお、県におきましては、商工労働部に労働相談員を設置し、また、労働基準局、労働監督署においても雇用に関する相談に応じているところでありますが、この管理職の退職強要に関する相談は、現在のところいずれの窓口にもなされていないというふうに承知をしております。  次に、数カ年または単年度で大量の解雇者を出そうとする動きがあるが、その全県的な実態を把握しているかということについてお答えを申し上げます。  雇用対策法上の規定によりますと、企業が大量の離職者を発生させる場合には、1カ月以上前に管轄公共職業安定所への報告が義務づけられておりまして、今後における大量の離職者についても全県的な把握ができることとなっております。本年度に入り、5月までに3件の届け出がありましたが、6月に入り、今後の新たな大量離職者の発生にかかわる報告は提出されておりません。  続きまして、エキスポ終了後の雇用対策法に基づく大量の雇用変動統計の提出状況についてお答えを申し上げます。  平成4年度は2件、離職者総数が71名、平成5年度は5件、離職者総数662名、平成6年度は3件、離職者総数239名、計10件、離職者総数で972名でございます。  続きまして、管理職は雇用問題で組合を持たず、相談するところがなく困っているので、県が相談・支援活動などを行うべきではないかということについてお答えを申し上げます。  県では、先ほど申し上げましたが、商工労働部内に労働相談員を設置をし、中小企業における労使間の問題や労働組合を持たない労働者からの相談など、さまざまな労働諸問題についての相談窓口として気軽に相談に応じられる体制をとっているところであります。具体的な相談を受けた場合には、ほかの救済例の情報提供や関連機関を紹介するなどについて適切な対応を行うこととしております。相談窓口の利用につきましては、これまでも広報誌によるPRや各種会議などの機会を通じまして普及啓発に努めているところでありますが、今後とも、労使を問わず、広く利用がなされるよう周知に努めてまいりたいと考えております。  なお、労働基準局、労働監督署におきましても同様の雇用の相談に応じていると承知しております。  続きまして、企業の一方的な都合による出向・配転を適切に規制をしていったり、高校転入を容易にするための随時試験の実施などの富山県独自の努力が求められるのではないかということについてお答えを申し上げます。  出向・配転などの条件につきましては、労使間において労働契約、労働協約、就業規則等に基づき決定をされ、実施されておりますが、これについて使用者の恣意的な権限を行使することはできないことになっております。また、転居を伴う転勤は労働者の生活関係に大変な影響を与え、特に配偶者の仕事の継続や家族の病気の世話、子供の教育などのやむを得ない理由から単身赴任しなければならない場合には、労働者に対し経済的、社会的、精神的不利益を与えるものであるので、判例によりますと、使用者は信義則上、労働者の不利益の軽減、その不利益を回避するための社会通念上求められる措置をとるよう配慮すべき義務があるとされております。例えばその措置としましては、単身赴任手当の支給、単身赴任先の低廉な住宅の提供などが例として挙げられております。  県といたしましては、各種会議やセミナーなどの機会を通じまして、これらの事実の正しい知識の啓発に努めてまいっているところでありますが、今後とも、これらの問題の発生の未然の防止や、適切な解決がなされるよう努めてまいりたいと考えております。  なお、本県高等学校の転入学試験は、基本的に年3回、各学期末に行っておりますが、それ以外にも事情に応じ随時実施するよう指導しており、各学校とも弾力的に転入学生を受け入れている状況にあると伺っております。  テクノポリス政策や頭脳立地政策などでどれだけ雇用人数が増えたのかということについてお答えを申し上げます。  テクノポリス計画や頭脳立地計画によりまして雇用人数がどれだけ明確に増えたかというのは、数字上、定量的に出すことは大変難しゅうございますが、例えば、テクノポリス計画の承認前後の圏域内の敷地面積1,000平米以上の工場の立地動向を見ますと、昭和54年から58年の立地件数の平均が年16件であるのに対し、昭和59年から平成5年までの平均が26件と大幅に増えております。また、昭和59年以降、敷地面積1,000平米以上、従業員30人以上で新たにこの地域に立地した企業について見ますと、件数で52件、雇用人員は総数5,300名となっております。また、富山八尾中核工業団地の平成6年4月時点での雇用人数は全体で2,180名となっております。このような数字から、テクノポリス計画などは大変魅力的な就業機会を提供しており、雇用効果に大きなものがあったと考えております。  続きまして、産業空洞化に関しまして、最近のデータでは富山県内の企業の海外進出の動向にどのような特徴があるかということについてお答え申し上げます。  県内企業の海外進出の状況は、平成5年1月の財団法人とやま国際センターの富山県企業の海外事業所調査などによりますと、県内企業50社が世界42カ国へ、現地法人、合弁企業及び駐在員事務所などの形態で168事業所進出しています。地域別の主な進出先といたしましては、対岸諸国が27社29事業所、中国・韓国を除きますアジア地域が38社54事業所、北米・中米地域が23社39事業所、欧州地域が17社36事業所などとなっております。これを平成2年12月の数字、44社、43カ国、149事業所に比べますと、会社数で6社、事業所数で19事業所増加をしております。  最近の進出先の傾向としましては、中国、韓国、ロシアの対岸諸国への進出が増加しているものと承知をしております。これら進出企業の目的は多岐にわたっておりますけれども、主なものといたしましては、原材料を確保すること、さらに自社で使う中間製品の供給先を確保すること、また、進出した先の国内での市場の開拓を行うほか、労働力の確保なども目的であると聞いております。  続きまして、多国籍企業化している実態はどのように掌握しているかというお尋ねについてお答えをいたします。  県内の法人事業所数は平成3年現在で2万3,625事業所であり、平成5年1月の財団法人とやま国際センターの調査などによれば、海外に進出しています県内企業は50社168事業所でありまして、その割合は0.7%であります。具体的な進出形態といたしましては3つございまして、1つは県内企業が100%出資する現地法人の形態、2番目が進出先の国の企業との合弁による現地法人の形成、3番目が法人を設立しない海外支店及び駐在員事務所であります。各企業の進出は、その目的などによってそれぞれの形態が違っております。財団法人とやま国際センターの調査などによれば、168の事業所のうち、法人を設立していない海外支店等が26事業所、100%の出資の現地法人が81事業所、合弁による現地法人が61事業所となっております。  続きまして、内部留保を有しながら県内の工場を縮小・閉鎖するなどによって雇用を減らす企業に対して、何らかの有効な規制を行う必要があるのではないかということについてのお尋ねにお答えいたします。  経営環境の悪化によりまして、不幸にして事業の縮小や工場の閉鎖など雇用を減らさざるを得ない状況になった場合、第一義的には、経営者において企業の社会的責任を果たすべく、雇用の安定を考えるべきでありまして、また、それに伴って労使間で十分な話し合いが行われ、その了解を得て問題の解決が図られるべきと考えております。  なお、県といたしましては、企業の経営努力にもかかわらず、事業活動の縮小などが行われるという情報を得た場合には、雇用調整助成金や各種の助成措置などを活用し、雇用維持、事業の継続ができるよう企業に対し働きかけているところであり、さらに、再就職先のあっせんなど雇用の安定についてでき得る限りの支援を行うこととしておりますが、これらの問題に対しまして、県が企業の経営状況に応じまして新たな規制を行うということは困難であると考えております。  続きまして、富山県で労働者・使用者・公益代表の3者から構成される雇用対策委員会を設置して、社会的に不当な解雇を規制するよう求めるがどうかということについてお答えを申し上げます。  労働者・使用者・学識経験者の3者から構成されます委員会の設置については、現在、労働問題懇話会が設置されておりまして、労使の安定と労働行政の推進を図るため、労働問題についての忌憚のない意見の交換を図っており、その結果につきましては労働行政や各企業の経営状況に反映をしているところであります。
     解雇の制限につきましては、先ほども申し上げましたが、労働基準法において規制をされており、さらに、その規制されたものが不当な解雇にかかわる紛争ということになった場合には、その解決は労働委員会や裁判所において不当であるかどうかの判断がなされ、またあわせて、不当解雇とされた場合には救済される道が開かれておることから、県といたしましては、この問題に対し新たな規制を設けることは困難と考えております。  次に、富山県が誘致をして便宜を図った企業が解雇や工場閉鎖・縮小などを行う場合、事前協議などを義務づける考えはないか。また、大企業の出先工場や子会社などに対して、計画の変更、一時停止などの協議・勧告ができるようにするべきではないかということについてお答えを申し上げます。  最近の企業のリストラや不況の影響などに伴い、工場の縮小あるいは撤退が実施されているところでありますが、県としてもこれは深く憂慮しているところであります。  工場の縮小あるいは撤退は、企業の経営方針として実施されるものであり、大量雇用調整が行われる場合には、雇用対策法上、1カ月以上前に報告が義務づけられているところでありますが、雇用対策に関しましてそれ以上の新たな規制を設ける必要はないと考えております。  いずれにいたしましても、工場の撤退などは雇用不安や地域の振興に支障を及ぼすと考えられますので、県としても今後とも、撤退を表明した企業に対する慰留や雇用の安定、新規事業の展開などについて強力に働きかけるとともに、関係機関とも連携を密にして適切に対処してまいりたいと考えております。  最後に、昭和電工の子会社である昭和タイタニウムの80名の労働者の雇用が問題となっている。県としては、雇用の確保は当然として、新規事業の導入を求めるなど、昭和電工に対して大企業の社会的責任を果たすよう要請してもらいたいがどうかというお尋ねに対してお答えをいたします。  昭和電工系の昭和タイタニウムにつきましては、航空機の需要低迷と国際市況及び急激な円高による国際競争力の低下によりまして、チタン精錬部門の生産継続が事実上不可能となったため、その部門を廃止しようとしていると聞いております。県といたしましては、既に直接、昭和電工に対しまして新しい事業の展開や雇用の確保などについて強く要請をしたところでありますが、会社側から、新規事業についてどのようなものが有望か検討していきたい、また、雇用の確保については基本的に昭和電工グループにおいて完全に対応したいというふうに返事を受けているところでありまして、今後とも、この会社側の検討状況がどう進むか、状況の把握に努めてまいりたいと考えております。  以上でございます。 57 ◯副議長(中川久尚君)屋敷教育委員長。    〔教育委員長屋敷平州君登壇〕 58 ◯教育委員長(屋敷平州君)犬島議員の教育関係の御質問のうち、福祉系など県内高等教育機関が体系的に整備されることが、高等学校の総合学科制導入などの改革に対して力を発揮するのではないかというお尋ねにお答えいたします。  学歴社会から学習社会へ、あるいは画一教育から個性教育へとシフトを変えようといたしております今回の高校教育改革は、高校だけを視野に入れたものではなく、中学校、小学校教育の改善はもとより、高校教育に連なる大学等高等教育機関の改革とも連動することを期待しておるところのものでございます。その意味で、総合学科などの高校教育改革と関連しながら、大学等高等教育機関──違った言葉で申しますと高等学校後の継続教育機関が、その理念、目的に基づきまして、主体的に入試のあり方、教育研究の内容・方法の改善充実等、現に国立大学では大学の自己評価などに努めるそういう動きの中で、やはり大変意義のあることだというふうに考えるところでございます。  特に、個性を生かすための基礎的で、しかも幅広い専門科目の学習を通じまして、卒業後の多様な進路に対応できるようにする総合学科を卒業いたします生徒にとって、みずからの進路選択目標にふさわしい高等教育機関の受け皿が、県内はもとより、いろんな地域で準備されますことは、これは一般的には大変好ましいことであると考えておるところでございます。  次に、高校三原則──総合制・男女共学制・小学区制をどう考えるかというお尋ねでございます。これはとても高邁なことを申し上げるわけにいきませんが、当時、既に高校に就職しておりました記憶をある程度たどりながら申し上げたいと存じます。  アメリカ第一軍団教育情報部のマクレラン勧告というものが出まして、それに基づき、富山軍政部教育課長アンダーソンが、1つには場所・教員・設備の節約を目標として総合制とすること。2つ、できる限り男女共学とすること。3つ、経済と能率を目標として学区制を設けることなどの指示をいたしまして、昭和23年9月、それぞれの学区へ子供たちが帰ってまいりますときに、涙を流して別れたものでございますが、同時に、新たに入ってくる子たちには握手をして迎えた、そういう記憶がございます。が、いずれにいたしましても、昭和23年9月、新制高校が当時20校、翌年4月には23校となっておりますが、そういうふうに出発したとき、今申し上げました3つのアンダーソンの指示が、いわゆる高校原則と言われているものに当たるかと存じます。  当時、私どもは、主としまして教育機会の均等の精神、つまりは男女共学、単線型教育路線というふうに唱えもし聞きもして、さまざま努力をしたわけでございますが、当時は普通科、職業科の生徒が一緒になりまして共通科目の共通履修──これは2つの学科の生徒が同じ教室で同じ授業を受けるという場合でございます。それから、普通科目と職業科目の総合選択ができる利点があるというふうに、新しい理想に燃えていたところでございます。  しかし実際には、当時の教育課程の編成方針によりますと、普通科では生徒の個別的要求に応ずる選択教科制をとること、それから、いわゆる職業に関する実務的なものについてはコア・カリキュラムを主とすること、こういう点もございましたので、実際は私どもの意識から申しますと、総合学科と申しますよりは幾つかの学科が併置された学校であると、そういうように感じておりました。したがいまして、そういうことになりますと、一方ではもっと専門的な学習をやりたいということが始まってまいりまして、そのために全部の学校に同じように施設を充当するのも困難だというふうな歴史的な変化が生じてきたように思いまして、職業科単独校が復活していくというのが昭和25年で、高岡中部高校から高岡工芸が分離いたしましたし、滑川高校から水産高校が独立していくというふうな動きになったのでございます。  それに伴いまして、生徒の学校選択自由を確保すべきではないかというような意見も出てまいりまして、次第に当初の学区と異なる形をとってきたというようなことでございまして、これは犬島議員御存じのとおり、昭和27年では、小学区を維持しておりましたのは、主として国の西部に多うございますが21県、昭和30年度では7県になってまいるような、そういう変化が起きたわけでございます。その後は御存じのとおりの今日の体制になっておりますし、共学につきましては、特に平成6年度県立高校入学者選抜から、一部残っておりました男女別募集定員を廃止するなどの試みも行っておるところでございます。  以上申し上げましたときに、私は、第二の教育改革と呼ばれました戦後の高校三原則は、先ほど北斗七星のようなものだとおっしゃいましたが、明らかに当時民主教育をするための衝撃的な事柄ではございました。しかし、それはやはりあくまで歴史的、社会的な状況の中で生まれて、ある程度日本らしい教育民主主義が発展する一つの重要な過程としてあらわれたというふうに理解できるのではないだろうかと思います。  当時、私もいろいろ疑問に思いまして、アメリカの教育学者のものを読んでみておりましたところが、アメリカは伝統的に3つの教育の目標とか、あるいはベースフィーチャーといっていますが、基本的な姿というものを絶えず考えております。それは犬島先生御存じだと思いますが、セルフスカラーシップ、要するに自分で学んでいく、しかも非常に知識の基礎的な分野で基本的な概念を創造的に操作するということが、まず第1のアメリカの共通の理想でございます。2番目はセルフディベロプメント、自己発展。自己発展のないところは奴隷しかいないんではないかというような歴史もございまして、すべての人はセルフディベロプメントしなければならない。3番目はソーシャルレスポンシビリティー、つまり市民として社会における義務と、そして同時に責任を果たすということ。この3つがアメリカ教育の哲学なんだといつの時代でも言われているように思います。  で、私は今日になってみますと、あの高校三原則の背後に──我々はここまで見ておくべきだったし、また、見た教育学者がいたでしょうけれども、今日この3つは、生涯学習でございますとか、ボランティアでございますとか、あるいはコミュニティースクールという観念で、いよいよ具体的に身近な中でできてきつつあるのではないかというふうに思います。犬島議員さんが高校三原則を北斗の星と例えられましたならば、あれ以来46年たちまして、電子望遠鏡で見ますと、どうも逆にセルフスカラーシップ、セルフディベロプメント、ソーシャルレスポンシビリティー、この3つが鮮やかに浮かんでくると。それを我々は日本式に生かしていこうというのが今度の高校教育改革でございます。  私どもは過去を必ずしも昔として否定するわけじゃございませんが、よくぞ日本人はここまでそういう道をたどってきたということを、先ほどの御質問の、新しい世紀の改革だとおっしゃった言葉の中からも感じておったのでございまして、どうぞひとつ今後ともよろしく御指導、御支援をお願いいたします。  以上でございます。 59 ◯副議長(中川久尚君)吉枝教育長。    〔教育長吉枝信朗君登壇〕 60 ◯教育長(吉枝信朗君)富山県の高等教育機関整備の方針の具体的展望と高校教育改革についてのうちで、総合学科制導入をはじめとする教育改革は、あくまで高校教育現場の主体的な研究と討議をまつべきであるが、どのように進めるのかという問いにお答えいたします。  高等学校の設置、管理は、第一義的には県の責任であるというふうに思っております。高校教育の改革についても、教育委員会、学校が総力を結集し、保護者及び県民の理解と協力を得ながら、積極的に推進していかなければならないというふうに考えております。また、今回の教育改革は、生徒の多様に対応するために、個性を伸長させるための選択幅の広い柔軟な教育を志向するものであり、そのためには各高等学校が個性的で特色ある教育を実現することが重要であると思っております。  こういうような観点から、教育委員会といたしましても、各高等学校に改革を実現するための工夫、改善に向けた主体的な取り組みを促してきたところであり、各高等学校では自分の学校の将来像について研究を続けてきているというふうに理解しております。教育委員会といたしましては、県全体の教育行政の推進という広い視野に立って、これからの研究状況を勘案しながら各学校における取り組みの方向を助言するとともに、1つとして弾力的な制度運用のための諸基準を見直す、2つ目に改革の方向に沿った各学校の取り組みを支援する、3つ目に教職員等の意識啓発を図るなどを強力に進め、今後の高校教育の改革を推進してまいりたいというふうに思っております。  続きまして、普通科にも推薦制を導入することに成算はあるのかという問いにお答えをいたします。  本県の高等学校推薦入学者選抜につきましては、目的意識が明確で、意欲と個性豊かな生徒を入学させることができる制度として、評価を得てきているというふうに考えております。  普通科の推薦入学の導入につきましては、今回の県高等学校教育研究協議会の第1次報告で提言されているものでありまして、その内容は、希望する学校は推薦入学を実施できるものであるということ、そしてその学校が求める生徒像についても明示できるというふうにしておるわけでございます。  現在、普通科を持つ各学校におきましても、多様な選択が可能な教育課程の編成や、国際交流、スポーツ活動、芸術文化活動などそれぞれの特色づくりに取り組んでおり、その成果も見られるところでございます。第1次報告における提言の趣旨に基づいて普通科推薦入学が導入された場合、中学校における適切な進路指導や各高等学校の個性化、特色化も一層推進されるものと考えております。県の教育委員会では、この提言を踏まえまして、入学者選抜制度の改善にさらに努めてまいりたいと思っております。  最後でありますが、業者テストが校外で大規模に行われるようになったことをどのように考えるのかというお尋ねにお答えいたします。  昨年度来、各学校においては業者テストを行わないで、学校の教育活動全体を通じて把握した生徒の能力、適性、興味・関心、あるいは将来の進路希望などに基づいた本来の進路指導に取り組んできたところでございます。各学校においては、これまでにもいろいろ蓄えました経験、それから資料、そういうものがあるわけでございまして、それを活用して生徒、保護者と十分に話し合って、進路選択をおおむね順調に行われたというふうに考えております。  しかし、従来参考資料としてもおりました業者テストが欠けたわけですから、保護者の不安もある程度生じることは考えられることであり、それが、前年度に比べ業者が主催する校外テストに参加した生徒の増加にあらわれたものと考えております。しかし、それまで全中学校において業者テストが実施されていたことから考えますと、進路指導の適正化ということでは大きな進展ではなかったかと考えております。  今後とも、進路指導に関する教職員の研修を深め、学校における進路指導をより一層充実するとともに、進路指導の手引などを活用して本来の進路指導に対する保護者の理解を深めてもらうよう努力をしたいと思っております。  業者テストの問題は、中学校における進路指導の充実ばかりではなくて、高等学校の入学者選抜制度の改善あるいは高等学校の特色化、さらには大学改革にもつながる大きな課題の一つであるわけでございます。この教育改革はまだ緒についたばかりであり、今後もその推進に努力をしてまいりたいというふうに考えております。  以上でございます。 61 ◯副議長(中川久尚君)犬島 肇君。    〔24番犬島 肇君登壇〕 62 ◯24番(犬島 肇君)教育問題についてお尋ねをしようかな、しないでおこうかなと迷うんですが、お尋ねしたいことは、改革の実を上げるときには、改革の何よりもの担い手である学校の先生方1人1人の主体的な取り組みと、その学校における熱心な討議の盛り上がりと熱意があふれてこなければ実が上がらないと思います。それはあたかも、屋敷教育委員長が昭和44年のときに学生紛争に見舞われて、私が一教員として現場におりましたときに、恐らく10月、11月のあのころに、深夜から、あるいは1時、2時に至るまで議論を1カ月近く重ねるなんていう場面がありましたけれども、あのことをほうふつとして思い浮かべるわけでありますけれども、そうした熱意が本当に職場の中から起きてこないときに、このままあわただしく文部省、中教審の路線をやらなきゃいけないということで走ってしまえば、また偏差値による学校間格差のみが走ってしまうということになりはしないかということを恐れるがゆえに、何よりも学校の現場における先生方の主体的な研究と討議が必要だということを強調したわけでございます。  行政上は県の責任ではありましょうが、責任を負っているのは教師であり、そして子供を育てる親たちであり、国民であります。その立場から、もう一度教育長に、もことした御答弁をなさったとは思いませんが、現場の検討、研究をまつのだという点を明確に御答弁をいただきたいというふうに思うのが第1点です。  第2点目に知事にお尋ねをするわけですが、富山県が持ち家率日本一だということ、「住む」分野で日本一だという指標があること、在宅福祉がこれからの福祉の大きな流れだということになれば、この持ち家率日本一であるというこれは、何よりも在宅福祉日本一の県をつくることができる大きな大きな県民の力ではないか。ここに依拠していくことが大事だと。これに向かって県が熱心に住宅行政を進めていくことが大事だけれども、その場合に富山県が──今現に健康な人であっても、将来は必ず年をとるわけだし、いつ障害者になるかわからないわけであります、お互いに。そういうことを考えれば、若いうちから、バリアフリーの家をつくっておくということは大事なことだというそういう認識といいますか、それは文化になる。それを積極的に早急に広げていく必要があるんじゃないか。それはまた同時に不況対策にもなると。一石二鳥、三鳥ぐらいの効果があって、富山県の目指す方向へもいくし、21世紀の方向も間違いなく切り開けるという趣旨のことを申し上げたわけで、知事も大体そういう方向の御答弁をなさっているように聞こえるんですが、何となくばらばらとした感じで……まあ、いろいろ忙しいですから、たくさんやらなきゃいけないから、なんですが、その方向性を明確にしてほしいわけですね。  住宅供給公社でも検討中だと言われましたが、住宅供給公社がやっているのは違うんです。あれは、展示して2週間だけ県民の皆さんに公開した後、売却しちゃうんですよ。個人の所有物になったところへどうして見学させてくれといって行けますか。そうすると文化が広がらないわけです、認識が広がらないわけなんですよ。今度また住宅供給公社でやるというんだけど、これも必ず、2週間ほど展示して、個人で欲しいという人に売却することになるわけです。  そうではなくて、そういう立派なものを例えば高志リハビリ専門病院の近くのほうにつくるとか、富山駅のほうにつくるとか、ああいう空き地にですね。金沢では駅の全日空ホテルのとこにつくっています。もう全国各地から見学に来るわけですね。まさに福祉の文化が広がる、しかも住宅振興になる。持ち家率日本一の力を持つ、あるいは衝動なり考え方のようなものを持つ富山県民にとっては、うってつけの方向ではないかということを申し上げたので、その1点に絞ってバリアフリーモデルハウスを位置づけて、明快な御答弁をいただきたいものと思うので、以上2点御質問申し上げて終わりたいと思います。 63 ◯副議長(中川久尚君)中沖知事。    〔知事中沖 豊君登壇〕 64 ◯知事(中沖 豊君)犬島議員の再質問にお答えいたします。  住宅問題に関連した福祉政策の御趣旨の発言であります。現在は非常に不況でありますが、住宅建設というのはまさに総合的な不況対策になるわけでありまして、そういう面で住宅建設を積極的に進めていきたいと考えているわけであります。また、現在、住宅の建設状況は非常に順調でありまして、景気浮揚にも大きく貢献しておるというように思っております。  その住宅をつくります場合に、これから高齢者時代を迎えるわけでありますから、高齢者に配慮した住宅をつくることが非常に大事であるというふうに思うわけでありまして、御説明申し上げておりますが、長寿社会対応住宅の指針も作成いたしましてその普及などに努め、また、住宅供給公社を通じましてもバリアフリー適応住宅の建設を進めておるわけであります。  ただ、県の住宅供給公社のバリアフリー住宅の建設は、単なる2週間程度の展示ではないかというお話でありますが、その点は確かにそういう制約があると思います。御指摘のように、やはり県の住宅供給公社におきまして恒久展示をするような、そういうことをこれから検討すべきであるというふうに私も思います。十分検討いたしたいと思っております。  そして、富山県が「住む」分野で全国第1位であるということをも活用しながら、これから在宅福祉のトップを目指すべきではないかという御提言でありますが、ハードの面ではまさにそういうことが実現される状況が十分あるというふうに思いますが、在宅福祉という場合には、ハードだけでなくてソフトの問題が絡むわけでありますから、今後ホームヘルパーでありますとか、そういういろいろな面のソフトの施策の充実も含めて在宅福祉のトップを目指すように努力していかなきゃならん、このように思うわけであります。  いずれにいたしましても、本県は「住む」分野において非常に高く評価されておるわけでありますが、ハード・ソフトにわたってこれからも本当に住みよい富山県になりますように、一層努力していきたいというふうに思っております。 65 ◯副議長(中川久尚君)吉枝教育長。    〔教育長吉枝信朗君登壇〕 66 ◯教育長(吉枝信朗君)犬島議員の再質問にお答えいたします。  先ほどの答弁でも申し上げましたが、高等学校の設置等につきましての責任というのは、第一義的には県、あるいは県教育委員会ということになるわけでありましょうが、今回の教育改革というものは、これはいわゆる県の高等学校教育研究協議会の報告にもありますように、個性重視、あるいは弾力的でゆとりのある学校をつくると、そんなようなことが提言されておるわけであります。そういうことから考えますと、特に現場の先生の意見といいますか、そういうものは当然聞いていかなきゃならないというふうに思っておりまして、これも先ほど答弁したわけでありますが、各高等学校に改革を実現するための工夫、改善に向けた主体的な取り組みを促してきたというふうに思っておるわけでございまして、このへんのところからも十分御理解願ったものと思っておったんでありますが、要は、教育改革を成功させるためには、私を含めて教員の意識を改革しなきゃならないという思いを持っております。 67 ◯副議長(中川久尚君)坂井昭二君。    〔41番坂井昭二君登壇〕 68 ◯41番(坂井昭二君)久しぶりの質問でございまして、しかも今議会一般質問のとりを仰せつかったわけでありますが、3点ばかりお尋ねしたいと思いますので、よろしくお願いいたします。  初めに、真近に迫った高校総体と青少年問題についてであります。  県内の27市町村で熱い戦いが繰り広げられる高校生最大のスポーツの祭典、全国高校総合体育大会は、7月31日の開会まで40日を切り、大会の成功に向けて、県や市町村、高校関係者など、多くの方々の手によって着々と準備が進められているところであります。この大会に合わせて新設・改修が進められてきた各種競技施設もほぼ完了し、「立山にえがけ大きく君の青春」の大会スローガンのもとに、若人の美と情熱を表現する趣向を凝らした公開演技も、この16日に3,000人を超える高校生が参加して、マーチングやマスゲームの全体練習が行われるなど、開会に向けて次第に盛り上がりを見せてきているのであります。また、このような直接の大会参加とは別に、会場を彩る草花の栽培や記念品づくりなど、一人一役を合い言葉に高校生諸君がそれぞれの立場でこの大会に全員参加し、大会を盛り上げるのであります。    〔副議長退席、議長着席〕  本大会は、参加選手や役員が3万8,000人、また応援などで全国から20万人が訪れるビッグイベントであり、主役である高校生はもちろん、県や市町村、競技団体など、関係者をはじめ、広く県民挙げて富山らしい心の温まる大会として成功裏に開催されることを強く期待するものであり、また、この大会の成功が、この後に続く全国規模のイベントの成功へとつながるのであります。  そこで、今月末の大会参加の申し込み期限を目前に控え、大会成功に向けた決意のほどを、改めて富山県実行委員会会長でもある知事に承りたいのであります。  また、全国各地から集まる選手をはじめ大会関係者は、日常と異なる環境下での生活となることや、各選手はそれぞれ代表としての責任などからデリケートになっている面もあり、体調の保持に十分配慮し、日ごろ培った実力を遺憾なく発揮できるよう、食品衛生や環境面への配慮が重要なのであります。特に、夏真っ盛りの中で、競技会場や宿泊場所が県内各地に分散することから、宿泊施設等に対するきめ細かい指導や監視を重点的、計画的に実施していく必要があると考えるのでありますが、食品衛生などの対策について、県当局に伺っておきたいのであります。  また、このように多くの参加者が集う本大会は、富山をPRし、イメージアップを図る絶好の機会であり、後に続く全国生涯学習フェスティバルや技能五輪全国大会へとつなげていくことによって、生きたPRが全国津々浦々まで届くのであります。そのためには、大会参加者に富山の雄大な自然に触れ、新鮮な山海の味覚を十分堪能してもらうとともに、心の通うもてなしがあってこそ、富山の魅力、富山のよさがより引き出され、いつまでも心に残ることになると思うのであります。県においては、大会参加者に「富山のコシヒカリ」を提供することにされるなどの配慮がなされているところでありますが、ちょっとした心遣いが大きな感激となって心を打つのであります。  大会期間中は夏の観光シーズンとも重なることから、宿泊施設をはじめ関係の方々には気苦労も多いことと思うのでありますが、関係者をはじめ県民がこぞって、もてなしの心を持って対応することが最も効果的なイメージアップ戦略かと考えるのであります。本大会をはじめ、今後開催予定の全国的イベントに向けた、本県のPRやイメージアップをどのように図っていこうとされるのか、県当局に伺いたいのであります。  いずれにしましても、この大会の成功が2000年国体へとつながるのであり、入念な準備にもう一踏ん張り力を重ねてお願い申し上げるとともに、本県選手諸君の健闘を心から願うものであります。  さて、高校総体を離れて、次代を担う青少年の問題について1点伺っておきたいのでありますが、青少年が、著しく変化する社会環境の中で、主体的に判断し行動できる能力や社会の一員としての協調性を培うためには、地域や社会が一体となっての社会教育もまた重要なのであります。青年団をはじめとした各種社会教育団体は、青少年がその活動を通じて自己を磨き、自主性や協調性、社会性など、心豊かな人格を形成していくうえで重要な役割を担っているのであります。  しかしながら、経済的な豊かさや少子化などの社会環境の変化とともに青少年の意識や価値観が多様化し、社会教育団体にもさまざまな影響があらわれており、同好会や職域的なグループ組織には増加の傾向も見られるのでありますが、長い歴史と伝統を受け継ぎながら地域に密着した活動を展開している青年団などは、その組織率が近年著しく減少しているのであります。このような状況のもとで、青少年の間には、連帯や協調の意識が希薄になっているとの指摘があり、これからの我が国の将来を担う青少年の育成対策として、これら社会教育団体の活性化を図っていくことが重要と考えるのであります。  そこで、青年団をはじめとする社会教育団体の活性化対策について、身近な市町村への指導方針を含めて、教育長に伺いたいのであります。  次は、地域活性化対策についてであります。  全国の地方自治体では、その地域の特性を生かしたふるさとづくりをはじめ、地域活性化のための施策に積極的に取り組んでいるところであります。本県は、植生自然度本州第1位が示すように、豊かな自然に恵まれ、この自然にはぐくまれた豊富で清らかな流れは、何物にも変えがたい貴重な財産であり、資源なのであります。  特に、アルプスをほうふつさせる国際級の雄大な観光資源を持つ立山は、その周辺地域も含めて、国内はもとより、国際定期便の就航によって、韓国をはじめ諸外国から訪れる多くの観光客を魅了してやまないのであり、まさに富山県の誇りなのであります。  近年、余暇時代の到来やライフスタイルの多様化に伴い、県内の観光客入り込み数も年々増加しており、立山黒部アルペンルートへは毎年130万人もが訪れるのでありますが、その大半が通過型観光となっているのが現状であり、今後、滞在型観光客の増加に向けた積極的な取り組みが求められているのであります。  こうした中で、先般、県、立山町などで組織する立山山麓観光レクリエーション地区整備協議会が進めてきた立山山麓地域整備構想調査がまとめられ、全体的な整備方向等が示されたところであります。そこで、この調査結果を踏まえ、今後の立山山麓周辺の滞在型観光対策とその整備方針について、県当局に伺いたいのであります。  また、「知られざるもうひとつの立山」といわれる立山カルデラでありますが、江戸時代後期の安政5年の直下型地震により、大鳶、小鳶の両山が大崩壊し、その流出土砂は4億1,000万立方メートルにも及び、常願寺川流域に大災害を引き起こしたのであります。本県は、急峻な山岳に囲まれた地形特質から急流河川が多く、本県の歴史はまさに治水や砂防との闘いの歴史であり、先人の英知と努力によって、今日の姿があるのであります。  このことから、大自然の営みや先人の英知と努力による富山県の生い立ちの歴史を語る生きた博物館として広く県内外の人々に紹介、普及するための立山カルデラ砂防総合展示施設構想は、極めて大きな意義があると考えており、自然の偉大さ、先人から受け継がれてきた歴史を体得できる立派な博物館として、整備されたいのであります。そこで、この構想の具体化に向けた今後の取り組み方針について、知事の所見を賜りたいのであります。  ところで、現在、なお2億立方メートルもの土砂が残っていると言われる中で、営々と続けられている立山カルデラ内の砂防工事現場への連絡路は、専用軌道と有峰からの工事道路に限られており、山深い急傾斜地であることや崩壊しやすい地質であることなどから、安全性の面でさまざまな制約があり、工事の長期化に拍車をかけているのであります。昭和14年にカルデラ出口に築造され、大きな成果を挙げてきた白岩砂防ダムも年数を経過し、新たなダムの建設が必要となっており、また、この先工事は100年にも及ぶと言われている中で、資材の運搬、労働力の確保の観点から、安全な新たなルートが必要であると考えるのであります。  現在、立山砂防工事は県外労働者に負うところが大きいのでありますが、長期的な展望に立って、工事の円滑かつ着実な推進を図るためには、称名からカルデラへトンネルで結び、将来への備えをすることが必要であると考えるのであります。このことが、立山カルデラ砂防総合展示施設構想推進の観点からも意義があり、また、有峰との一体的な周遊ルート形成にもつながり、その効果ははかり知れないのであります。  しかしながら、弥陀ケ原一帯は貴重な自然の宝庫であるだけに、自然環境への影響等について、事前の十分な調査や工法の検討が必要であることは言を待たないのでありますが、このようなトンネル構想について前向きに検討されるよう、県当局に要望するものであります。  最後の質問は、道路問題についてであります。  戦後、我が国は世界に例を見ない急速な経済発展を遂げ、かつての欧米先進国への追いつけ、追い越せの時代から、今や、国内のみならず地球的視点に立った対応が求められており、国際社会の中でも大きな影響力を持つに至ったのであります。このような社会、経済の発展や地域の活性化を支えてきたものの一つが、高速交通網の整備であり、地域道路網の整備なのであります。  本県では、昭和48年に砺波-小杉間に北陸自動車道が開通し、高速の時代を迎えてやがて四半世紀になろうとしており、また、この間モータリゼーションの目覚ましい発展とともに交通網は飛躍的に整備されてきたのであります。また、道路には利便性、安全性、そして快適性が求められるのでありますが、社会、経済の発展とともに価値観も著しく多様化し、快適性の中にゆとりを求める機運が高まってきているのであります。  このような背景のもと、平成5年度を初年度とする第11次道路整備5カ年計画では、道路は極めて社会性の強い空間であり、「人と暮らしを支える社会空間である」との認識のもとに、交通機能のみならず、景観形成や地下空間の計画的な利用など、多様な空間機能の充実を図ることとしているのであります。さらにこの中で、ゆとりや豊かさを求める国民のニーズに対応し、地域交流の核となる道の駅や地域のシンボルとなる道路空間を整備することとし、また、地下空間の計画的利用を推進するため、キャブシステムを5カ年で500キロメートル整備するとしているのであります。特に、電線類の地中化は都市景観の向上やまちづくりに大きく貢献し、また、交通の円滑化の観点からも大きな効果が見られるところであり、積極的な整備促進を図るべきと考えるのであります。これからは、電線類の地中化をはじめ道路空間の積極的な活用を図り、景観やゆとりにも配慮した快適な道路づくりが重要と考えるのでありますが、今後の整備方針について県当局に伺いたいのであります。  ところで、北陸自動車道の利用交通量は年々着実に増加しており、待望の上越-朝日間の4車線化工事も9月には泊トンネルの工事着手が予定されているなど、鋭意準備が進められているところであります。  最近のインターチェンジの利用状況を見ると、富山インターは、昭和63年の14万8,500台から平成5年には18万8,000台と27%増加し、立山インターでは、2万6,300台から3万7,800台と、ここ5年間に44%もの大幅な増加が見られるのであります。この立山インターは富山インターの補完機能も有しており、立山インターから富山市街へ直接結ぶ新たな道路の整備によって、その利用も大幅に増加するものと見込まれるところであり、また、県都である富山市への東の玄関口として、産業、経済の発展にも大きな効果が期待されるのであります。このため、県においては、富山市天正寺から大日橋の下流に新橋を設置し、立山インターへ結ぶ区間を主要地方道富山立山公園線のバイパスとして整備することとし、鋭意その整備に取り組まれているところでありますが、路線の重要性から早期整備が待たれるところであり、この際、今後の整備見通しについて、県当局に伺っておきたいのであります。  また、地方交付税が措置される公共事業並みの有利な単独事業として平成5年度に創設された、ふるさと農道及びふるさと林道整備事業は、公共事業に比べ、事業化が容易で手続的にも簡略に対応でき、また、一定の集中投資も可能なことなどから、農山村地域の定住環境の整備促進を図るうえで、この事業への期待が大きいのであります。  また、本事業は、平成9年までの時限措置とされていることもあり、今後、事業の積極的な導入を図り、農山村地域の環境整備の促進に努められたいのでありますが、今後の取り組み方針についてお伺いいたしまして、私の質問を終わります。どうもありがとうございました。 69 ◯議長(西島栄作君)中沖知事。    〔知事中沖 豊君登壇〕 70 ◯知事(中沖 豊君)坂井議員の御質問にお答えいたします。  最初の御質問は、高校総体と青少年問題についての御質問でありますが、まず、高校総体の成功に向けた決意を改めて聞きたいという御質問にお答えいたします。  平成6年度全国高等学校総合体育大会、インターハイの開催につきましては、昭和61年に誘致を開始しまして以来、会場地市町村をはじめ、関係機関・団体などの御理解と御協力を得ながら、鋭意準備を進めてまいりました。「立山にえがけ大きく君の青春」のスローガンのもとに開催されます本年度のインターハイは、2000年国体の開催や21世紀に向けて、日本一の健康・スポーツ県を目指す本県にとりまして、まことに意義のある大会であると考えております。いよいよ7月31日の大会開催まであと1カ月余りとなりましたが、県民の関心も一段と高まってきております。本県の高校生諸君には一人一役を担っていただきまして、青春をかけた力いっぱいの活躍を期待したいと思いますし、全国から集う高校生諸君との友情の輪も広げてもらいたいと思っております。  また、本大会が富山らしい心のこもった大会として、本県を訪れる方々に十分満足していただけるように、県民一丸となりまして大会の準備運営に万全を期してまいりたいと考えております。関係者の御尽力、それから高校生諸君の活躍、そして県民の皆さん方の御協力を心からお願い申し上げる次第であります。  次は、地域活性化対策についての御質問でありますが、そのうちの、立山カルデラ砂防総合展示施設構想の今後の取り組み方針はどうかという御質問にお答えいたします。  立山カルデラ砂防総合展示施設構想は、「知られざるもうひとつの立山」ともいうべき立山カルデラの大自然の営みと、明治39年以来90年近くにわたり営々と行われている人間の努力としての立山砂防事業の意義を、県民はもとより、広く国内外に紹介、普及することをねらいとしております。この施設につきましては、基本計画に沿って屋内ゾーンと野外ゾーンの整備を図ることにしております。  まず屋内ゾーンにつきましては、立山黒部アルペンルートの玄関口に当たる立山駅前に屋内博物館の建設を計画しておりまして、施設内におきまして、立山カルデラの状況を実感できるような展示などを検討しております。それから建設スケジュールにつきましては、昨年度、必要な用地を取得したところでありますが、本年度は展示及び建物の設計協議を実施いたしますとともに、展示資料の収集を進めることにいたしております。その後、建設省と協力しながら、順次、基本設計、実施設計、建設へと整備を着実に進めていくことにしております。  次に、野外ゾーンの中心となる立山カルデラ地域の整備についてでありますが、これにつきましては、本年度にその整備計画を策定したうえで、環境庁をはじめ、関係機関などの協議を経て、立山カルデラ地域におけるトイレなど、基本的な施設整備を本年度から進めていきたいと考えております。
     いずれにいたしましても、この施設は本当にすばらしい施設になりますように、建設省などとも力を合わせて努力していきたいと考えております。  それから、称名とカルデラを結ぶ仮称称名トンネル構想についての御要望がありましたが、自然保護を十分に考慮しながら研究を進めてまいりたいと考えております。  以上であります。 71 ◯議長(西島栄作君)吉田厚生部長。    〔厚生部長吉田哲彦君登壇〕 72 ◯厚生部長(吉田哲彦君)高校総体の中での宿泊施設等に対する食品衛生対策などについての御質問にお答えいたします。  高校総体夏季大会は、最も暑い季節に開催されることでもあり、食中毒の発生が危惧されるところであります。特に今回の富山大会は、競技の広域開催、宿泊の広域配宿に特色がありまして、全県的な食品衛生対策が必要となっております。このため、平成6年度高校総体富山県準備委員会のもとに、宿泊・衛生専門委員会を既に2年半前に発足させまして、大会関係者の利用いたします宿泊施設や食品等の衛生対策につきまして、これまでも種々協議を重ねてきたところであります。  また、本年4月には宿泊施設等におきます食中毒の発生を防止するため、高校総体食品衛生対策実施要領を定めまして、この要領に基づきまして、今月6月には県下の宿泊施設及び弁当製造施設の営業者を対象に、会場地の市町村実行委員会と連携をとりながら、保健所ごとに衛生講習会を開催し、食品衛生思想の普及、周知徹底を図っております。  また、食品衛生監視員が総力を挙げまして、これらの施設及び食材の納入業者を重点的かつ計画的に訪問いたしまして、調理室の衛生管理状況や調理従事者の健康管理状況のチェック、また調理器具及び食品の細菌検査を実施するなど、きめ細かい監視、指導を実施しておるところであります。また、会場周辺、観光地等の飲食店及び食品販売店並びに土産食品製造所におきましても監視、指導を行いますとともに、土産食品の抜き取り検査を実施しまして、不良食品の排除を図っているところであります。ただいま申し上げました施設を対象といたしまして、来月7月にはさらに2回目の監視、指導を実施する予定であります。  また、大会期間中は、食品衛生監視員によりまして、約600件に上るかと思いますが、宿泊施設、弁当製造施設などを重点的に監視、指導を実施いたしますほか、食品衛生協会の御協力を得て、県下の食品衛生指導員を総動員いたしまして、飲食店、販売店等におきます食品の衛生的な取り扱いなどにつきましての巡回指導を行いたいと考えております。特に弁当につきましては、夏場の高温下では保存の難しい食品でありますことから、その安全性を確保するため、製造業者に対しまして、細菌検査の実施及び競技場に保冷車を配置いたしまして、低温保管を徹底することにしております。  また、納入引きかえにつきましては、時間制限を指導いたしますとともに、大会参加者などに対しましては、配食後、早めに食べていただくよう、強く啓発をしてまいりたいと思っております。いずれにいたましても、食品衛生対策の面につきましては、万全を期するよう努力してまいりたいと思っております。 73 ◯議長(西島栄作君)佐藤商工労働部長。    〔商工労働部長佐藤哲哉君登壇〕 74 ◯商工労働部長(佐藤哲哉君)高校総体をはじめ、今後開催予定の全国的イベントに向けた本県のPRやイメージアップ、さらには心の通うもてなしをどう図っていくかというお尋ねについてお答えを申し上げます。  本年のインターハイをはじめ、今後富山県で開催が予定されている全国的なイベントには、多数の県外の方々が来県すると予想されております。このことから、県ではこれらの機会に、立山をはじめとするすばらしい自然景観や郷土色豊かな伝統芸能、楽しいイベント、新鮮な海、山の幸など、本県の誇る豊富な観光資源を積極的にPRするとともに、より多くの県外の方々に、ぜひ富山のよさを体験していただきたいと考えております。  このため、これら県外客の方々を迎えるに当たりましては、温かく迎える心と環境の整備が重要であると認識をしておりまして、県では第1に、県民のホスピタリティー意識の高揚、第2に、接客サービス業関係者のサービスの充実、第3に、受け入れ環境の整備充実の3つを柱とする県民総ぐるみによります「ようこそ富山キャンペーン」に取り組んでいるところであります。  平成6年度においても、インターハイや生涯学習フェスティバル、技能五輪全国大会など、全国的なイベントが開催されることから、第1に、直接インターハイなどにおいて県外の客と接する高校生やタクシー業界を対象にもてなしに関するハンドブックを作成し、配布すること、第2に、もてなしの心の事例、アイデアの募集、それを発表すること、第3に、インターハイの開催に向け、高校生の家庭や高校教員等への啓発パンフの作成、配布、第4に、デザインを統一した観光地案内標識の設置の促進など、本県を訪れた観光客から富山に来てよかった、また富山に来たいと思ってもらえるような受け入れ環境の整備に努めているところであります。  いずれにいたしましても、今後このキャンペーンが広く県民運動として広がるよう、関係業界などと連携を図りながら、各種事業を積極的に展開をしてまいりたいと考えております。  続きまして、立山山麓周辺の滞在型観光対策とその方針につきましてのお尋ねにお答えを申し上げます。  立山山麓地域整備構想調査報告書では、多様な宿泊施設の充実や、スポーツ・レクリエーション施設の整備などが提案されているところでありますが、今後の立山山麓地域の滞在型観光を推進するためには、まことに時宜にかなったものだと考えております。  報告書で提案されたこれらの諸施設等が順次整備されていくのにあわせまして、観光対策としましては、第1に、県内の有名観光地その他地域との有機的なネットワークづくりを図ることや、第2に、特色あるイベントを開催すること、第3に、県外への重点的な顧客宣伝活動の展開など、立山山麓地域の滞在型観光対策に積極的に取り組んでまいる所存であります。 75 ◯議長(西島栄作君)吉枝教育長。    〔教育長吉枝信朗君登壇〕 76 ◯教育長(吉枝信朗君)高校総体と青少年問題についてのうち、青年団をはじめとする社会教育団体の活性化対策について、身近な市町村への指導方針を含め問うというお尋ねでございますが、お答えいたします。  青年団については昭和50年代以降、価値観の多様化や地域連帯意識の希薄化とともに、市町村及び県いずれのレベルにおいても漸次組織率が低下し、また全体としてその活動も不活発となってきた傾向が見られるところでございます。  しかしながら、青年の柔軟で豊かな発想と果敢な行動力、はつらつとした若いエネルギーは地域活性化のうえで極めて重要である。県におきましても、従来から市町村との連携による青年団指導者研修を通じたリーダー養成、それから青年団ニューリーダー養成事業や青年問題研究集会事業などの県青年団主催事業への補助とか、あるいは青年団体ネットワークへの援助などを通じまして、青年団活動の活性化に努めてきたところでございます。今後、さらに青年団活動の振興と充実を図るために、青年学級、それから青年教室を青年団活動の基盤として位置づけし、市町村に対し一層の振興を図るよう促してまいりたいと考えております。  それから、近年、市町村ないしその校下によっては、各種団体や社会教育施設等と連携しつつ、青年たちの手によって地域活性化につながるイベントを実施するなど、活発に活動している例も見られるので、このような方式での青年活動の活性化を図るよう、市町村に働きかけてまいりたいと考えております。  以上でございます。 77 ◯議長(西島栄作君)市丸企画部長。    〔企画部長市丸正年君登壇〕 78 ◯企画部長(市丸正年君)地域活性化対策についての御質問のうち、立山山麓周辺の整備方針についてお答えいたします。  立山山麓地域につきましては、その背後に国際級の雄大な自然景観を持つ中部山岳国立公園を有し、地域内には数々の貴重な自然、文化、歴史、資源を有しておりますし、これまでも、立山山麓家族旅行村やスキー場、立山博物館、グリーンパーク吉峰の整備など、この地域の魅力をさらに高める努力をしてきているところであります。しかしながら、その入り込みの大部分は通過型観光であり、滞在型の拠点としては、十分なものとはいえないのが実情であります。  こうした状況を踏まえまして、立山山麓地域の一層の活性化を図るために、県、地元立山町、大山町等で構成します立山山麓観光レクリエーション地区整備推進協議会におきまして、立山山麓地域整備構想調査を実施し、本年3月にその報告が取りまとめられたところであります。本構想は、立山山麓地域を粟巣野平地区、立山駅周辺地区、立山カルデラ地区、有峰地区など7つのゾーンに区分し、それぞれの地区においての整備方針を提言し、立山山麓地域について、自然保護との調和を図りながら、健康・スポーツをメインテーマとした短期滞在型の観光レクリエーション拠点を形成するとともに、立山黒部アルペンルートのエントランスゾーンとしてグレードアップを図るということを目指すものとなっております。  本構想の提言につきましては、これまでに立山駅周辺の整備、さらには極楽橋や立山カルデラ砂防総合展示施設の建設などに既に着手されているものもあるわけでありますが、今後、本構想の提言をより多く実現していくためには、行政はもとより、民間企業、地域住民が力を合わせて整備に努めていくことが必要であります。このため、立山山麓レクリエーション地区整備推進協議会などの積極的な活用も図りながら取り組みを進め、立山山麓地域の一層の整備に努めてまいりたいと考えております。 79 ◯議長(西島栄作君)望月土木部長。    〔土木部長望月倫也君登壇〕 80 ◯土木部長(望月倫也君)道路問題についての質問にお答え申し上げます。  まず、快適な道路づくりについてでございます。  道路は人と暮らしを支える社会空間であり、良好な生活環境を創出するために、その果たす役割は極めて大きいと認識しております。  そのため、道路整備に当たりましては、安全で潤いのある快適な道づくりを推進する観点から、とやまのみちBIG作戦や文化性導入事業などにより、電線類の地中化を行い、快適な歩行空間を確保すること。美しい町並みを形成するため、舗装や照明のデザインに工夫を凝らすこと。街路樹やフラワーラインの整備により、花と緑豊かな道路空間を形成すること。道の駅、緑の一里塚、大型案内標識などの整備により、憩いの場や情報などをドライバーに提供することなどを基本としまして、県下全域にわたり、積極的に取り組んでいるところであります。  今後とも、市町村並びに地域、住民の協力を得ながら、安全、快適で親しみやすい道路づくりを目指して努力してまいりたいと考えております。  次に、主要地方道富山立山公園線のバイパスについてでございます。  主要地方道富山立山公園線のバイパスにつきましては、富山市街地から北陸自動車道立山インターを直結し、大日橋など常願寺川にかかる橋梁周辺の交通渋滞を緩和する重要な幹線道路であります。その整備につきましては、1つは、立山町側につきましては延長約2.8キロメーター、幅員25メーターで平成元年度から事業に着手しております。2つ目には、富山市側につきましては延長約2.0キロメーター、幅員25メーターで平成4年度から事業に着手しております。残る区間の常願寺川橋梁につきましては、現在、構造形式の検討や河川管理者と協議中であります、など鋭意進めているところであります。  全線の完成見通しにつきましては、全体延長が約5.5キロメーターと長く、また長大橋も必要となるため、かなりの期間と多大な事業費を要することから、21世紀初頭を目標に、引き続き鋭意整備促進に努めてまいりたいと考えております。  なお、2000年国体の開催に際しましては、常願寺川公園の馬場において馬術競技が予定されていますことから、そのアクセス道路となりますこのバイパスの一部であります常願寺川右岸橋詰めから立山インターまでの間を平成12年、2000年までに暫定供用が図られるよう整備促進に努めてまいりたいと考えております。 81 ◯議長(西島栄作君)堀田農林水産部長。    〔農林水産部長堀田 稔君登壇〕 82 ◯農林水産部長(堀田 稔君)ふるさと農道、ふるさと林道の整備事業について、今後どのように取り組んでいくのかのお尋ねにお答えいたします。  平成5年度から実施しておりますふるさと農道及びふるさと林道整備事業は、従来の農道・林道としての機能はもとより、農山村の定住環境の改善に資するなど、より公益性の高い道路として整備促進を図ることを目的としております。本事業の特色は、農道については、従来の公共事業では農業経済効果という採択上の制約がありましたが、弾力的に運用できるようになったこと。また林道につきましては、採択要件が異なるため、今まで同時に実施できない開設、改良、舗装事業が一律的に実施できること、また、事業の集中投資によって工期の短縮が図られることなどであります。  このようなことから、農道・林道の整備促進を図るうえで大変有効な事業であり、地元要望も多く、平成5年度から平成9年度までの間に農道では156億円、林道では92億円の事業を従来の公共事業に加えて実施することとしております。今後とも、この事業を十分に活用し、農林業の振興と地域の活性化に努めてまいりたいと考えております。 83 ◯議長(西島栄作君)以上で本日の一般質問、質疑を終わります。  これをもって県政一般に対する質問並びに提出案件に対する質疑を終了いたします。          常任委員会への審査付託 84 ◯議長(西島栄作君)次に、ただいま議題となっております議案第86号から議案第100号まで及び報告第1号については、お手元にお配りしてあります議案付託表のとおり、それぞれ所管の常任委員会に付託いたします。      ───────────────────── 85 ◯議長(西島栄作君)次にお諮りいたします。  議案調査のため、明6月24日は休会といたしたいと思います。これに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 86 ◯議長(西島栄作君)御異議なしと認めます。よって、そのように決定いたしました。  以上で本日の日程は終了いたしました。  次に、議会の日程を申し上げます。  6月27日は予算特別委員会を、28日は議会運営委員会及び各常任委員会を開催いたします。  次回の本会議は6月29日に再開し、諸案件の審議を行います。  本日はこれをもって散会いたします。  午後4時03分散会 Copyright © Toyama Prefecture, All rights reserved. ↑ ページの先頭へ...